Global Eyes

アメリカからのレポート

REPORTER: 2008年度「アメリカ語学留学研修生」梅田 朝和さん

2010年4月 America アメリカ

何かを目指すための国 人生を語り合える友人との出会い、肌で感じた「リアルな仕事現場」

REPORTER: 2008年度「アメリカ語学留学研修生」梅田 朝和さん(研修期間:2008年10月~2009年8月、滞在地:ネブラスカ10月~2月、ニューヨーク3月~8月)

英語漬けの留学生活のはじまり

地図

 英語に興味をお持ちの方は多いと思います。私もその一人で、参考書を買っては捨て、「駅前留学」をしては退会し、そんな繰り返しに途方に暮れていました。意欲はあるけど身につかない。それでも何とか学習は継続し、TOEICは700点まで到達しましたが、決して自信が持てるレベルではなく、「もう英語はやめよう」と考えていた時、アメリカ語学研修のお話をいただきました。
私は海外研修生として、2008年10月から2009年8月末まで、アメリカ、ネブラスカとニューヨークに留学しました。11ヵ月間、英語にどっぷり浸かる生活をすることとなりました。

写真:学生食堂にて 写真:卒業式にて
学生食堂にて 卒業式にて

ネブラスカで

宗教のある日常。牧師ファミリーでのホームステイ

 空港で私を待っていたのは、ホストマザーのキャシーと娘のエリザベス。キャシーは180cm、エリザベスは13歳にして175cm。私はその身長に圧倒されながらも、“I am Tomokazu Umeda. Call me Tomo.”
このありふれた自己紹介からアメリカ生活が始まりました。
ホームステイは5ヵ月間。ホストファーザーは牧師という、熱心なキリスト教徒の家庭です。「では、Tomo。天地創造のチャプターを朗読して」と『聖書』についてレクチャーさたり、夕食後に家族全員で「ハーレルヤー」などと賛美歌を熱唱する慣習は初めてで、新鮮な体験でした。さらにホストファミリーは「月曜朝6時はBreakfast Meeting。日曜日は集会」と30人ほどを家に招き入れるなど宗教活動にも積極的。知らない人が常時家にいるため、気が落ち着かないものの、お陰で多くの人と会話する機会に恵まれ、その中に米国文化を垣間見ることができました。

写真:ホストファミリーとクラスメイトと一緒にホームステイ先での日曜日の集会

写真:ホームステイ先での日曜日の集会ホストファミリーとクラスメイトと一緒に

“コーヒー”が通じなかった不安なスタート

 到着翌日、ウォルマートで身の回り品の買い物を終え、一服するため立ち寄ったスタバでのこと。さっそく店員に“コーヒー Please!”と注文したところ、“Ha?”との冷たい返答が。その後“コーヒー、コーヒー”、“Ha~? What?”とのやり取りを数回し、ジェスチャーを交えて何とか注文できたものの、“コーヒー”が通じないのはショックでした。
それなりに英語の勉強をしてきたのに「この調子か」と、不安な始まりとなりました。

睡眠中以外は英語学習に費やしたネブラスカ大学での日々

 ネブラスカ大学では、ビジネスマン向けの有名コース、IPD(International Professional Development)に参加しました。
講義はもちろん英語。内容も難しく、毎日朝から夕方までみっちりつまっているため、ついていくのが必死でした。授業終了後も図書館にこもり、閉館時間21時まで予習、復習。遅い時間になるとバスもなくなり、マイナス気温の中、自転車をこいでの帰宅。そんな生 活が続きました。必死で学習しているものの、まるで成長が感じられず、講師を訪ね、「何とかしてくれ!」と恥ずかしながら泣きついたこともありました。それでも、ただただ学習するしかないので、寝ている時間以外は授業、英語学習に時間を費やしました。
「成長・上達は、数ヵ月後に実感する」と聞かされていた話は本当で、2ヵ月を経過した12月30日に大きな変化を実感しました。講義を聴いていると、「あれ、聞き取れる!」と英語が今までと全く違う感覚で耳に入って、理解できるようになりました。「おお、とうとうきた!」と大雪の中で興奮したのを鮮明に覚えています。それ以降は講義がわかりやすくなりクラスメイトとのコミュニケーションも楽にできるようになりました。
クラスメイトはさまざまな国から来ていました。まるで違う文化を持つ彼らの考え方は、仕事観から人生プランまであらゆる面で斬新で、刺激的でした。彼らとは本音で話し合い切磋琢磨できる良い関係で、今でもSNSで連絡を取り合って、仕事や生活の近況を報告しています。
5ヵ月間のネブラスカ大学の生活には、マイナス20度下での通学、クラスでの侃々諤々の議論、気持ちが悪くなるほど緊張したプレゼンテーションなどたくさんの想い出があり、終業式のスピーチではとても感情的になりました。ただ英語に関してはまだまだ満足のいくレベルには遠く、「これからも学習していきたい」と強く思いました。

写真:休憩時間にクラスメイト達と
休憩時間にクラスメイト達と

写真:クラスメイトとの腕相撲 写真:大統領就任スピーチのためすべて休講、大広場に集合 写真:総仕上げのプレゼンテーション
クラスメイトとの腕相撲 大統領就任スピーチのためすべて休講、大広場に集合 総仕上げのプレゼンテーション

ニューヨークで

不況真っただ中でのNITS米国会社(NY)研修

 ニューヨーク(NY)市は人口800万人、マンハッタンは160万人。
「人種のるつぼ」と言われるように、日本人の感覚では「ギョッ!」とするような風体の人があちこちで意気揚々と24時間闊歩しています。NYは私がこれまで過ごした上海や東京とはまた異なる街で、「何かを目指すための場所」と表現できるのではないでしょうか。のんびりとしたネブラスカ州にいたせいか、NY独特のエネルギーを強く感じた気がします。
NITS米国会社で研修を始めた頃は、金融危機の影響を受けた米国企業が「在庫・生産の調整」を行っていた厳しい時期。その不況真っただ中での定例月次会議には、ピリピリした雰囲気がありました。「市況はかつてないほど悪い」との報告を受け、今後の方向性を熱く議論する会議が、最初の印象的な出来事でした。

写真:水澤さんと訪れたNY州の取引先にて 写真:ノースカロナイナ州にあるニッティング工場にて
水澤さんと訪れたNY州の取引先にて ノースカロナイナ州にあるニッティング工場にて

米国駐在員のリアルな現場を体感することができた

 「NYで働く」ということはダイナミックな仕事ができると考えていましたが、華やかなことばかりではないことを地方出張を通じて体感しました。衣料部門ではNYに顧客がいるものの、私が携わった産業資材関連の企業はNYから遠く離れた州にあります。飛行機移動も大変ですが、空港到着からが体力勝負。まずレンタカーを借り、カーナビで行き先を設定し、2~3時間移動。そして一件の商談を終えたら、また同じようにドライブ。運転中の景色は一本道で何もなく、途中にコンビニなどはない。レストランを探してもアメリカンフード。これが毎食続くと結構つらいものがあります。
商談においては、人種、考え方、商慣習の違うビジネスマンに対応するので、しっかりした事前準備と英語でのコミュニケーション能力、専門用語の理解がないと太刀打ちできない駐在員のリアルな現場を肌で感じました。

写真:NY駐在員ファミリー全員での食事会 写真:吉岡さんを訪ねた元タイ事務所の社員と昼食会 写真:よく行く日本料理屋の前での写真
NY駐在員ファミリー全員での食事会 吉岡さんを訪ねた元タイ事務所の社員と昼食会 よく行く日本料理屋の前での写真

視座が高く経験豊かな先輩と出会えたことに感謝

 米国会社の皆様、とりわけNY駐在員の方々には本当に良くしていただき、さまざまな相談にも乗っていただきました。
仕事以外にも「自分のあり方、将来の目標、家族」など人生の先を見据えたお話も多くうかがいました。視座が高く、経験豊かな先輩方と深くお話しできたのは本当に貴重な経験だったと思います。
また、半年ほどの短い期間に、家族全員食事会、BBQ、ハーレムマラソン大会、ワシントン旅行など、たくさんの思い出をいただき、伝えきれないほど感謝の気持ちを持っています。

“経験は活かさなければ意味がない”という強い想い

 11ヵ月の研修は、自分自身を見直す時間であり、多くの価値観に触れる貴重な機会でした。良い経験をさせていただいたと思う一方で、「経験は活かさなければ意味が無い」、と考えており、学習の継続、仕事への積極的な取り組みへの想いが前よりも強くなりました。まだまだ若輩で経験不足ですが、これからも切磋琢磨し、積極的に会社に貢献していきたいと考えています。
最後に、このような機会をいただけたことに心から感謝し、簡単ですが研修報告を終えさせていただきます。ありがとうございました。