Global Eyes

東南アジアからのレポート

REPORTER: NI帝人商事(株)台北駐在員事務所 大山 豊

2011年2月 Taipei 台湾

リーマンショックからいち早く立ち直り経済成長を遂げる台湾 花博、新航空路線開通も景気をけん引

REPORTER: NI帝人商事(株)台北駐在員事務所 大山 豊 所長 +事務所スタッフ

台湾の現状

地図

●2010年度のGDPは9.98%のプラス成長!
台湾の国土は約3.6万km²で、日本の九州の面積を一回り小さくしたような土地に2,200万人強が暮らしています。言語は中国語(北京語)を国語としていますが、一般には発音も全く異なる台湾語、客家語、その他、原住民の諸言語が使用されており、一部では日本語も残っています。現在は国民党の馬英九総統が台湾政府を率いています。
2008~2009年度はリーマンショックの影響もあり、経済成長は足踏み状態でした。しかし、2010年になってこの国の基幹産業でもある半導体産業や、電子・電気・IT産業を中心に、台湾経済は立ち直りつつあります。2010年度のGDPは9.98%のプラス成長が予測されており、外貨準備高でも世界第4位を維持しています。
また、過去を通じて長らく緊張関係にあった中国との間で2010年度、ECFA(海峡両岸経済協力枠組み協議)が締結され、今後両国間で急速な経済接近が進展するものと考えられています。

●日本以上に進む少子化問題
台湾は日本社会と同様に少子化問題に直面しています。先に発表された合計特殊出生率(女性が生涯に産む子どもの数)は1.0と日本以上に低く、世界最低となりました。台湾の人口は、早ければ2017年にも減少し始める可能性があります。
これには、晩婚化や経済的な問題なども影響しており、日本と同様の悩みが台湾にもあるようです。

台湾事務所の事業内容

 2001年開設の当事務所は、来年でちょうど10年めを迎えます。当初は、旧日商岩井台湾の繊維部門が分離・独立した形でスタートし、衣料繊維が主体の業容でした。最近では工業資材関係や化成品関連の製品なども手掛け、本社と連携しながら徐々に取扱い商量を増やしつつあります。
台湾の繊維産業は、一般的には日本の繊維業界と同様の傾向をたどっており、特に衣料製品(縫製)の仕事は中国大陸などに移っています。原料・原糸・生地などについては、まだまだ健闘しており、衣料用途は付加価値品へ、あるいは工業用途へと転換しつつあるところです。
また、台湾の産業の中心はやはり電子・電気・IT、プラスチック・化学品などで、輸出貿易に依存する割合が高く、年々産業規模を拡大してきています。今後も大きなビジネスチャンスがあるとみており、当事務所でも力を入れていきたい分野です。

写真:台湾事務所(1) 写真:台湾事務所(2)

最近の台北市の様子

●花博開催に向けて進む地下鉄網整備

写真:台北國際花博覧会

 台北市では現在、2010年11月6日から2011年4月25日までを会期として、「台北國際花博覧会」が開催されています。約20万m²の会場では、多くの花々と展示物を観覧することができます。
これにあわせて、現在台北市内では地下鉄網の拡充が進行中。2012年まで、さらに路線の延長と拡張が続き、市民にとってもいっそう便利な交通手段となる予定です。

●羽田―松山(台北)空港間の航空路線開通

写真:松山空港

 2010年10月31日、東京・羽田空港と台北・松山空港との間で旅客便の運航が始まりました。松山空港は主に国内空港として利用されていた台北市内の便利な空港で、当事務所からも車で10分程度の距離にあります。
これからは「東京から台北までちょっと日帰りで往復」などということもできてしまうわけです。同航路の開設によって、日本の皆さんにとって、台湾がもっと身近な存在になるかもしれません。

街角MEMO

台北の街並み
台北の観光場所はいくつかありますが、台北101が有名でしょうか。2004年に日本の熊谷組が施工した地上101階建て高さ509.2mのビルで、当時は世界一の超高層建築物でした。
また衛兵交代で有名な忠烈堂や中正記念堂、孫文を記念して建てられた国父記念館、龍山寺、さらに故宮博物院は、数十万件の展示物を保有する世界四大博物館の1つとして有名です。博物院では3ヵ月に1回の割合で展示品の入れ替えをしているそうですが、膨大な所蔵量のため、全ての所蔵品を見るためには8年余りもかかるそうです。
また台北の夜市も有名で、夕方になると毎日たくさんの屋台、露店が出て、雑貨、衣服、日用品などが販売されます。多くの観光客も集まって、エネルギーあふれる場所になっています。
ただし、お出かけのさいはスリ・置引きなどにご注意を。
少し郊外に出ると、九という観光地も有名です。かつて金の採掘場だった九は、その役割を終えて閉山しましたが、映画のロケ地となったことで再び脚光を浴びるようになりました。
独特のレトロな街並みから、日本映画の「千と千尋の神隠し」のモデルになった町としても有名です。

写真:台北101 写真:衛兵交代式 写真:レトロな街並み 写真:士林夜市(1)
写真:士林夜市(2) 写真:中正記念堂 写真:忠烈堂

行義路温泉
環太平洋火山帯に位置する台湾では、全国各地に100ヵ所を超える温泉がわき出ています。台北近郊の温泉場としては、日本統治時代に開発された北投温泉が有名ですが、ここでは北投温泉ほど有名ではないものの、地元住民がよく行く陽明山山系の紗帽山温泉を紹介したいと思います。
台北市内から紗帽山温泉までは、タクシーで30分ほど。北投温泉にも近い穴場の温泉街です。私の自宅(天母地区)からだとバスに15分も乗ればたどり着けます。温泉は、行義路に面した温泉レストランの中で入ることができます。日本の温泉の大浴場のようなイメージではなく、もっとひなびてこぢんまりとした雰囲気です。
行義路温泉エリアに行くと、硫黄の臭いが漂い、「寂れた温泉街」という風情の中に私がよく利用するのは皇池温泉御膳館や川湯温泉養生料理といった店ですが、露天風呂で十分楽しむことができます。これらの施設は温泉利用だけでもOKで、食事だけでの利用も可能です。私の場合、自宅から近いため、自宅の風呂代わりに温泉だけを利用する場合が多く、それだと200元でゆっくりと露天温泉を満喫できます。
台湾の温泉地は水着着用が義務づけられるところが多いのですが、ここでは日本と同様に裸で入浴できます。24時間営業、個室もあり、また食事も店ごとに趣向を凝らしたものが多いので、十分に温泉と食事を楽しむことができると思います。
穴場の観光スポットですので、皆さんも利用してみてはいかがでしょうか。

写真:行義路温 写真:皇池温泉 写真:川湯温泉

天母古道
台北事務所は、台北市内中心街の中山北路二段、嘉新大楼というビルの12Fにあります。この中山北路をずっと北へ行くと、中山北路七段のロータリーで終点になります。ここからさらに北へ上ると、天母古道というハイキングルートの入口に到達します。私の自宅は中山北路の六段にありますので、歩いてもこの天母古道の入口までたどり着くことができます。
日頃運動に縁のない生活を送っているため、時々気分転換と運動を兼ねて、この天母古道を登っています。天母古道は陽明山国家公園の一部を成すハイキング道で、最高高度400m程の石段の山道を延々と登るのですが、運動不足の私には結構きつく感じられます。頂上に着く頃には、前の晩に飲んだお酒が全部汗になって出ていきます。
途中、台北市内の景色が眺められる休息所では、静かにそよぐ風が何とも心地よいのです。そのままハイキング道を行くと文化大学に到着して終点です。
時々は、下山途中の温泉レストランに立ち寄ります。そこで露天風呂に入った後に、眼下に広がる台北市内の景色を見ながらビールを1杯、これがまた最高です。メタボ改善のために汗を流しているのですが、結局シンドイ思いをして流した汗のことは忘れて、ビールを1杯、2杯、… まあ、いいか…となります。

写真:天母古道(1) 写真:天母古道(2) 写真:天母古道(3)

台北の写真館
台北市内では、多くの写真館があることに驚かされます。多くの女性達が自分の変身写真を残しておこうという願望を持って、あるいは結婚記念のために、これらの写真館に自己プロデュースの写真撮影をしにやって来ます。
当事務所の中山北路沿い近辺の1ブロックだけでも、10数軒の写真館がひしめき乱立しています。日本ではあまり見られない光景かと思います。これら写真館の店内には、変身用の多様な衣装が準備されており、相談係からメーク・撮影の専門家も揃っていて、好みの背景設定のために出張撮影をしたり、希望に応じて様々に変身させてくれたりするようです。
時折、街中で華やかな衣装を着た男女が撮影している景色を目にすることがあります。仕上がった変身写真は実物以上(?)に美しく仕上がるそうなので、台北に来られた時には変身してみてはいかがでしょうか。

写真:写真館(1) 写真:写真館(2)

ナショナルスタッフからのレポート

グルメリポート ―― 侯雅菁/楊芳瑜・記

●度小月
このお店は1895年、台南に住んでいた漁師が「担仔」と呼ばれる天秤棒で担いで売り歩いた「担仔麺」が評判になってできたそうです。人気メニューはもちろん担仔麺ですが、比較的小振りなお椀で出されるので、その他の料理と一緒に食べるのがよいでしょう。
担仔麺は、豚肉のそぼろと玉ねぎを強火で炒めて、特製の調味料で香りを加えて長時間煮込み、エビで取った特製スープを加えたものです。台南のお店では、最高18杯もこの麺を食べた人がいるそうです。1度食べたら、どうしてもまた食べたくなる料理です。台北にお越しのさいは、ぜひ食べてみてください。

写真:度小月(1) 写真:度小月(2)

●民楽旗魚米粉湯
迪化街一段にある永楽市場とその周囲は、昔から乾物・布・生地などの集散地であり、卸問屋が集まっています。そのため、手作り服やインテリアや織物などが好きな人にとっては、欲しい生地や見たこともない布など何でも手に入れることができる夢のような場所です。またこの辺りには、台湾各地の屋台料理もたくさんあり、多種多様な地方の特産料理を食べることができます。

写真:民楽旗魚米粉湯(1) 写真:民楽旗魚米粉湯(2) 写真:旗魚米粉湯(カジキビーフン)

・旗魚米粉湯(カジキビーフン)
新竹ビーフンをゆで、カジキを香ばしく炒め、一緒に煮込んだスープ・ビーフンです。普通は鶏や豚の骨を煮込んでスープを取りますが、カジキビーフンは魚でスープを取ります。
・炸魚(揚げスルメ)-衣をつけずにさっと揚げたスルメです。
・炸紅燒肉(揚げ赤叉焼)-もち米に赤米麹をつけて発酵させ調味料に豚肉を漬け、表面をパリッと揚げたもの
・炸仔(牡蠣フライ)-
・炸蝦仁(蝦の剥き身フライ)-
・空心菜-
・大陸妹-

写真:あんかけ麺

●永樂台南土
- 遠洋の深海魚をカリッと揚げ、白菜と葱と油麺で作られた少々とろみのあるさっぱりとしたあんかけ麺です。

写真:お碗餅

●永樂店台南碗
台南碗(お碗餅)-在来米で作られたお餅に、肉のそぼろ、卵黄、椎茸、干しエビをいれて蒸した餅です。その上に、南部独特の甘いとろっとした甘醤油と大蒜磨りをかけておいしく仕上げています。

アミ族の豊年踊り ―― 張雅恵・記

 台湾の原住民「アミ族」のお祭りについてご紹介します。アミ族は、台湾原住民の中で最も多い人口を占める民族集団です。豊年祭はアミ族にとっては1年の重要な祭祀儀式であり、毎年7月から8月に行われます。期間は3~10日ほどで、時期や日数は、それぞれ集落の行事予定によって異なります。昨年私が訪れた集落(花蓮県豊濱郷)では、7月23日から3日間でした。この祭りでは捕獲したイノシシを料理して、その肉を集落の各家庭に分けて食べました。
祭りでは、色彩豊かな伝統衣装をまとった人々による歌や踊りが見られました。2日めの午後からは夜10時まで、集落の18~45歳までの女性が集められて盛んに踊っていました。踊りの途中、20代の女性がいい加減に踊っていると、中年の別の女性がその子を叱っていました。しかし、そこで踊っていたある男性は、踊っている女の子に米酒(お米の蒸留酒)を飲ませて応援します。そしてその男性は憧れの女性に、嗜好品「檳榔(ビンロウ)」をプレゼントして愛の告白をするのです。

写真:アミ族の豊年踊り(1) 写真:アミ族の豊年踊り(2)