Global Eyes

東南アジアからのレポート

REPORTER: ダッカ駐在員事務所長 木下 好勝

2013年8月 Dhaka バングラデシュ・ダッカ

圧倒的なコスト競争力と将来性で
世界の縫製業界が注目する、ダッカ

REPORTER: ダッカ駐在員事務所長 木下 好勝

コスト競争力に世界が注目する国、バングラデシュ。労働集約型の産業が盛んなこの地では、縫製業が特に発展しています。チャイナプラスワンの候補地として、多くの有名欧米圏のアパレルメーカーが進出してきています。
今回のワールドリポートは、今後の日本の縫製業界においても、重要な拠点となるであろうバングラデシュからお届けします。

ダッカ事務所の概要

地図&外観写真

 ダッカ国際空港から車で約15分(混んでいると1時間半?!)ダッカの原宿(?)ボナニ地区に事務所はあります。周りは食事をするのにも全く不便が無く、ダッカでは数少ない日本食を含め、韓国、インド、中華レストランも徒歩圏内という恵まれた環境。食事はダッカでの唯一の楽しみですから、この立地は有難い限りです。

 事務所の設立は2010年2月。前任の川合初代所長が作り上げた土台を元に、バングラデシュでの製品OEM商売を中心にサポート業務をしております。

 現在、メンバーは小生を含めて7名。MD2名、QC2名、アシスタント1名、経理1名の陣容です。 男だけのむさ苦しい事務所ですが、その分、整理整頓、清掃を心掛けておりますので、ご心配なくいらしてください。

バングラデシュ全般

写真:市民の足リキシャ市民の足リキシャ

 小生もダッカに赴任してあっという間に一年が経ちました。赴任前にはバングラデシュが何処にあるのかも知らなかった程です。

 資源に乏しいバングラデシュの唯一と言える強みは安い労働力。海外への出稼ぎ労働者からの本国への送金はこの国の外貨獲得手段の一つですが、国内では労働集約型の産業が発展し、特に縫製業はその代表的なものです。

 チャイナプラスワンの候補として、当社も早くからベトナムそしてインドネシア、ミャンマー、カンボジアのアセアン諸国を視野に入れておりましたが、バングラデシュもその候補の一角を占めており、欧米のアパレルメーカーや小売りはそれに早くから気づきその土台を築きあげました。「生産ロットが大きい」、「リードタイムが長い」と言ったような負の部分だけが目立ちますが、圧倒的なコスト競争力は中長期で見れば必ず必要になってくるはずです。

 そして将来的には日本の縫製業界はバングラを抜きにして語れない日が来るはずで、そういう意味で若い世代の人達には出来るだけバングラに来ていただき、バングラを早くから経験していただきたいと思います。

バングラ生産の特徴

写真:バングラは革製品も有名(皮のなめし工場)バングラは革製品も有名(皮のなめし工場)

 簡単な言い方をしますと、バングラ生産は牛丼チェーンYです。牛丼のように決まったものをサイズだけ変えてひたすら作り続けると安くて満足できるものが出来ます。勿論、そこには気の利いた接客はありませんし、肉も米の材料も決して良いものではありませんが、「この値段でこの味なら!」と満足いただけるモノづくりです。

 ただ、牛丼チェーンSが牛丼屋の方向性を変えたように、バングラ生産も様々なバリエーションで対応し始めました。 Tシャツに代表されるカットソーを中心としながら、デニム、パンツ、セーターなども競争力があります。(H&Mの店頭をのぞかれるとバングラ生産の多さに驚かれることと思います)

 牛丼屋と唯一違うところは、税金です。どこの牛丼屋も消費税還元はしませんが、バングラ生産では輸入関税が免除されます。安くて、更に税金免除となれば、もう作らない手は無いですね。

取り扱い商材について

写真:TシャツTシャツ

 「世界一安いTシャツ」を目指し日々努力中。綿のTシャツの価格競争力には自信があります。名古屋衣料経由でプリント用Tシャツのボディー(無地Tシャツ)や、国内大手量販店向け2パックTシャツなど、100万枚単位のオーダー取得に全力をあげています。

 デニムも通販向けに初のオーダーを名古屋からいただきました。これをきっかけにデニムも拡販予定です。 更にはアクリルを中心とした4, 5ドル台の安いセーターにも力を入れ始めました。

 衣料以外では特産のジュート製品も仕掛けています。日本のロールカーペットの裏材としてのジュートはインテリア部よりトライアルの1コンテナーの発注をいただきました。

 また、流行のエスパドーリュ、ハンドメードのバッグも提案中です。

写真:デニム工場デニム工場

写真:エスパドーリュエスパドーリュ

写真:カーペットの裏材向けジュートカーペットの裏材向けジュート

最後に…

写真:厳格なイスラム女性も厳格なイスラム女性も

 日本人には考えられませんが、この国では国民の二人に一人は文字が読めません。そういう小生もバングラに一年居ながらベンガル語は読めないどころか話せない。理由は簡単で勉強をしていないから。この国に来て教育の大事さを痛感しています。

 ユニクロはバングラの識字率向上や貧困層減少を狙った社会貢献活動を行っています。そういう活動に刺激を受け、この国の安い労働力にお世話になっていることへの感謝の気持ちを常に持つようにと自分に言い聞かせています。ただ、大渋滞に巻き込まれ、後ろのバスが大きなクラクションを鳴らしてくると、そんな気持ちもあっという間にどこかに飛んでしまう。そんな国、バングラデシュをこれからもよろしくお願いします。

街角MEMO1

娯楽

写真:ダッカのゴルフ場ダッカのゴルフ場

 多くの日本人駐在員の週末(バングラでは金、土)の楽しみはゴルフです。なんと当事務所より車で5分(!)という街のど真ん中に立派なゴルフ場があります。予約不要の早いもの順のスタートというシステムで気軽にプレー出来ます。

 その他の娯楽は… えぇっと… いろいろあり過ぎて書ききれないので割愛させていただきます(^_^;)

街角MEMO2

食事事情

 バングラでは皆様のイメージ通りインド料理に似たカレーが中心の食事になります。定番のチキンカレーやマトンカレーは日本人の口にも十分に合います。魚カレーの材料は川魚。その他、なんでもカレーに変身。やはり手で食べるのが基本で、小生も特訓中。

 生野菜を食べることがあまりない代わりに豊富なフルーツでビタミン補給が出来ます。事務所の前もマンゴの木で、シーズンになるとポトリと自然に落ちてきます。1kgで100円ぐらいですので、この時期は毎朝マンゴを食べています。

写真:工場での昼食工場での昼食

写真:豊富なフルーツ豊富なフルーツ

写真:小生の朝ごはん(動物園の朝ごはんではありません)小生の朝ごはん
(動物園の朝ごはんではありません)

街角MEMO3

気候

 熱帯気候で、年中温暖な気候ですが、乾季(4~9月)と雨季(10~3月)では、同じ場所でも全く違った光景がみられます。

写真:乾季乾季

写真:雨季雨季

スタッフ紹介

●Mahamudul(マムード)

 マーチャンダイザー。当社在籍3年。40歳。妻と1歳の子供の3人暮らし。池袋に住んでいたので日本語が堪能。でも「火事」と「風邪」を区別して話せない。「ボシュ(Boss)、”火事” ヒキマシタ、キョウヤスマセテクダサイ。」、「ガーメントコウジョウが“風邪”ニナッテ、タイヘン。」ってな感じです。

●Paul Sylvester(ポール)

 マーチャンダイザー。当社在籍1ヵ月。39才。妻と2人の子供の4人暮らし。今まで業界の様々な企業を転々としており、経験豊富なやり手。バングラでの小金持ちの象徴のバイクを乗りこなし通勤。でも使っているブラックベリーはケースが割れている。

●Shamim(シャミム)

 品質管理担当。当社在籍3年。48才。妻と3人の子供との5人暮らし。縫製工場の友達が多いからか、衣装持ちでオシャレ。小柄で普段は優しいけれど、一旦工場に入ると人が変わったように工場の指導に熱が入る熱血QC。

●Tariquel(タリク)

 品質管理担当。当社在籍1ヵ月。39才。妻と二人の子供との4人暮らし。ユニクロのQCマネージャーまで上り詰めたQC界のエリート。宗教心が厚く、毎朝4時半頃には起きてお祈りをしてから出勤。入社したところだが、今後の活躍に大いに期待。

●Shahid(シャヒド)

 アシスタント。当社在籍9ヵ月。33才。独身で親と同居。パソコンには強いが、気が弱いので納期が詰まってこずアシスタントとして再出発。結婚相手募集中。

●Toaha(トーハ)

 総務、経理担当。当社在籍1年3ヵ月。29才。妻と8ヵ月になる赤ん坊とご両親と暮らす。元銀行の営業職だった。若いのにお腹が出ているのはお金持ちボンボンの証。お金を払うことに生き甲斐を感じているようで、常に小生の経費支払いを催促。

●Faruk(ファルク)

 ドライバー。当社在籍2年半。40才。ダッカで単身赴任。故郷で妻と3人の子供が待つ。ニコラスケージ似の真面目な運転手。田舎で待つ家族に最大限の仕送りをする為に食費は1ヵ月1000円で頑張っている。

写真:左から木下所長、トーハさん、マムードさん、シャヒドさん、タリクさん、ポールさん、シャミムさん左から木下所長、トーハさん、マムードさん、シャヒドさん、タリクさん、ポールさん、シャミムさん