Global Eyes

東南アジアからのレポート

2015年8月 Thailand タイ

ASEAN展開のキーとなるハイブリッド型川中工場として
~社員一丸で品質・生産性の向上を目指す~

REPORTER: タイ・ナムシリ・インターテックス

タイでのポリエステル長繊維の織布・染色を行うタイ・ナムシリ・インターテックス。
20年以上にわたり、ASEANへのテキスタイル供給拠点として、重要な役割を担ってきました。
そんなタイ・ナムシリの“現在”を、現地情報とともにお伝えします。

写真:「2015スポーツデー」にて。紫のユニフォームがバンプー工場、黄緑のユニフォームがウェルグロウ工場のメンバー(日本人駐在員も混じっています!)「2015スポーツデー」にて。紫のユニフォームがバンプー工場、黄緑のユニフォームがウェルグロウ工場のメンバー(日本人駐在員も混じっています!)

タイ・ナムシリ・インターテックスのプロフィール

 タイ・ナムシリ・インターテックスは1989年設立、1991年に開業し、1995年に帝人グループが資本参加しました。主にポリエステル長繊維織物の製造販売を行っています。

 バンコク市内の本社事務所、サンペン営業所(タイ国内向け販売)、ウェルグロウ工場(織工場)、バンプー工場(染工場)が拠点となっています。

本社事務所

 2013 年にTHAICCビルから移転し、現在はTFRTと同じフロアの一室に事務所があります。アドミニ(システム)、経理、ロジスティック合わせて14 名の社員が在籍し、業務を行っています。

サンペン事務所

 中華街の中の繊維問屋ストリートに事務所があります。国内販売担当2 名が常駐し、販売活動を行っています。

写真:本社事務所本社事務所

写真:サンペン事務所と街の様子(1)サンペン事務所と街の様子

写真:サンペン事務所と街の様子(2)

取扱商品の特徴

 スポーツウェア用高密度織物、婦人及び紳士スーツ・パンツ用織物、ブラックフォーマルウエア用濃染織物、オフィス・ワーキングウエア・白衣などのユニフォーム素材、カーシート生地といった、さまざまな用途のポリエステル生地を取り扱っています。日本、タイ国内をはじめ、ヨーロッパ、中東などの顧客にその生地を販売しています。

 パミオ・デルタ・ソロテックス・カラットといった帝人素材を用いた商品開発やグループ会社のテイジン・ポリエステル(タイランド)との取り組みも含めると、ナムシリでは、原糸・織り・染めの技術を融合した一貫商品開発が可能です。この強みを活かしながら、今後も取扱商品の強化を進めていきたいと考えています。

写真:ブラックフォーマル・レディーススーツブラックフォーマル・レディーススーツ

写真:ホテル・ユニフォームホテル・ユニフォーム

写真:吸汗速乾素材を使用したスポーツウェア吸汗速乾素材を使用したスポーツウェア

タイ・ナムシリならではの行事

スポーツデー

 毎年2月上旬にスポーツデー(球技大会、運動会)を開催しています。

 従業員が一堂に会し、バレーボール、バトミントン、セパタクロ、サッカーなどの競技を、工場対抗形式で行います。

 セパタクロは、日本で見る機会があまりないこともあり、ついつい見入ってしまいます。また、サッカーも人気が高く、応援にも熱が入ります。

写真:スポーツデースポーツデー

写真:セパタクロの熱戦セパタクロの熱戦

タンブーン

 タイは仏教徒が多い国で、生活のあらゆるシーンに仏教が根付いています。ナムシリでも年に1回会社にお坊さんを招いて、お経をあげてもらうタンブーンという行事があります。

 朝にお坊さんが来て、みんなでお布施をして、お経をあげて、ご飯を食べるという2~3 時間程の行事ですが、信仰の深さを感じます。

写真:タンブーンの様子タンブーンの様子

写真:工場の祠の仏様工場の祠の仏様

ウェルグロウ工場(織工場)

工場紹介

 バンコク市内から空港を越えて東へ約1時間のウェルグロウ工業団地の中に工場があり、まわりには一流企業の工場が立ち並んでいます。約210名の従業員が在籍し、織物を生産しています。

 織工場は、ウォータジェット織機、レピア織機をはじめ、巻返し、撚糸、整経、糊付、ビーミング、綾取り、引通しなどの各工程に対応した設備を所有しています。今年初めには、最新鋭のウォータジェット織機を多数導入しました。

 身近な織物生地ですが、生産の際は各工程で糸1本1本を丁寧に取り扱っていく必要があります。1本の糸の欠点で生地が全て駄目になってしまうこともあるので、細心の注意を払いながら、作業を行っています。

写真:ウェルグロウ工場ウェルグロウ工場

写真:ウェルグロウ工場のスタッフ一同ウェルグロウ工場のスタッフ一同

写真:織工場織工場

写真:織機上の糸の様子。経糸が切れないか1本1本チェック織機上の糸の様子。経糸が切れないか1本1本チェック

工場のある街<チャチェンサオ>

 織工場のあるチャチェンサオはバンコクの東側にある農業が盛んな街で、ワット・ソートンなどの寺院や自然豊かなバンパコン川とそこに生息するイルカが有名です。

 ワット・ソートンはワット・プラケーオ(エメラルド寺院)に次ぐタイで2番目に参拝客が多いお寺で、チャチェンサオの有名なものは何かと現地のスタッフに尋ねると、決まってこのお寺の名前が出てきました。無病息災や願い事が叶うといったご利益があるそうです。

 ワット・サマーンラットナーラームは、ピンクのガネーシャ(人間の体に象の頭を持った神様)や観音様が有名なお寺です。ガネーシャ像の周りに立っているねずみに願い事をすると願い事が叶うと言われているそうです。

 ガネーシャを参拝するときには、自分が何曜日生まれたかを確認しておく必要があるので、興味がある方は調べてから参拝してください。

 県境を流れるバンパコン川は、海水が川の中まで入り込み、イルカが遡上することで有名な川です。ハイシーズンの11~1月にはイルカウォッチングの観光船も出ています。

写真:ワット・ソートン

写真:ワット・サマーンラットナーラーム。染工場の生産部長が参拝した時の写真(1)

写真:ワット・サマーンラットナーラーム。染工場の生産部長が参拝した時の写真(2)

ワット・ソートン

ワット・サマーンラットナーラーム。染工場の生産部長が参拝した時の写真

バンプー工場(染工場)

工場紹介

 バンコク市内から南南東へ約1時間のチャオプラヤ川の河口に近くに工場があり、すぐ横には海が広がります。約185名の従業員が在籍し、染色・仕上げ加工を行っています。

 精練機、減量機、液流染色機、樹脂加工機、セッター、カレンダー、バフ機などを所有し、さまざまな用途の染色・仕上げ加工に対応しています。

 昨年から今年にかけて、染色機、樹脂加工機を増設し、物性・堅牢度試験室も測定機器や測定環境の整備を進めています。タイは一年中暑いですが、染工場の染色機やセッターの近くは立っているだけでも汗が噴き出してきます。そんな暑さにも負けず、生産に励んでいます。

写真:バンプー工場バンプー工場

写真:バンプー工場の横の海。コンテナを積んだ船がよく行き来していますバンプー工場の横の海。コンテナを積んだ船がよく行き来しています

写真:染工場。増設した染色機はフル稼働中染工場。増設した染色機はフル稼働中

写真:樹脂加工機。スポーツやフォーマルブラックの加工に使用樹脂加工機。スポーツやフォーマルブラックの加工に使用

工場のある街<サムットプラカーン>

 染工場のあるサムットプラカーンはバンコクの東南側に位置した農業と工業が盛んな街です。工場の近くに、ワニ園やムアンボーランなどの有名スポットがあります。

 ワニ園には約4万匹のワニが飼育されていて、ワニのパフォーマンスショーが楽しめます。象、虎、チンパンジー、鳥、ラクダなどの動物も見ることができるほか、恐竜博物館や実弾射撃等々いろいろなアクティビティがあります。

 ムアンボーラン(古代都市の意)は、世界最大級の屋外博物館で、タイ全土の名所旧跡を実際のサイズそのままに復元したレプリカが点在しており、タイの伝統的な民族文化を紹介するコーナーもあります。タイの文化に興味のある方にはお奨めの場所です。

 また、現在バンコクスカイトレイン(BTS)が工場の近くまで延線工事中です。将来的には工場のすぐ近くをBTSが通る予定です。

写真:ワニ園とムアンボーラン。現地スタッフがお子さんと遊びに行った時の写真(1)

写真:ワニ園とムアンボーラン。現地スタッフがお子さんと遊びに行った時の写真(2)

写真:工場近くの幹線道路。BTSが延線工事中

ワニ園とムアンボーラン。現地スタッフがお子さんと遊びに行った時の写真

工場近くの幹線道路。BTSが延線工事中

写真:社長 中川 浩孝

社長からのメッセージ

元祖ハイブリッドの歴史をASEANで花開かせるために、
サバーイサバーイだけでなく。

社長 中川 浩孝

 今から20年以上前、タイナムシリに資本参加したのは、帝人商事(当時)でした。その後、帝人がマジョリティーを持ったことによって、帝人の衣料繊維=メーカー系列という印象がありますが、当時においてまさしく「商と工のハイブリッド」を目指した資本参加であったことは、知る人ぞ知る歴史です。

 20年が過ぎた現在、製品事業グループにおいて、発展を遂げているASEANの中心・ハブであるタイにテキスタイルを供給できる川中(織物生産工場)を持っていることは、非常に重要かつ強みとして認識されています。残念ながらここ10年間のタイナムシリの業績は、胸を張れるものではなく、直近では構造改革プランを推進している状況ですが、ASEANにおける重要拠点として質(品質)、量(計数)ともに無くてはならない存在へと変貌していかなければなりません。

 私は、創始者で初代社長であったBOONNAMSAPさんから数えて8代目の社長となります。現地社長歓迎会での挨拶で『8というのは、日本では“末広がり”で今後よくなっていく意味があります。また、中国でも、“撥財”=財をもたらすの撥と同じ発音であることから縁起の良い数字と言われています。8代目の私とともにタイナムシリを素晴らしい会社にして行きましょう』と発言したことを、実現させたいと思います。

 構造改革プランに沿った経営改善を進めている会社でありながら、タイ人の国民性(あくせくしなくてもなんとか暮していける。必死より、サバーイサバーイ=快適で生きていきたい)もあり、従業員は明るくのびのびと働いています。ここに改革・改善の意識が高まれば、すばらしい企業になる可能性を十分に持った組織体です。皆さんのご支援を受けてようやくそのような会社になりつつあります。引き続き、ご支援をよろしくお願いします。

写真:タイ・ナムシリ駐在員一同タイ・ナムシリ駐在員一同

写真:宇熊 昭雄

駐在員の声

タイの文化に触れながら現地スタッフと奮闘の日々

宇熊 昭雄

担当業務

 開発や染工場の技術全般を担当しています。工場ですので毎日色々な問題が起きますが、現地スタッフと協力しながら、日々の業務に取り組んでいます。

ビジネスでの注意点

 日本で仕事をする時も同じですが、物事を依頼する時は、相手にきちんと理解してもらうことを心がけています。

例えば、試験加工をする時、単に加工条件を伝えるのは比較的簡単で、“Temp 170℃”、“Speed 20m/min”のように簡単な英語や数字、単位を書けばほとんど問題ありません。難しいのは、「なぜその条件でやるのか」や、急ぐときは「なぜ急いでやりたいのか」などを伝えることだと感じています。自分が説明したつもりでも、実は伝わっていなかったことや、急いでいるのに加工が進んでいなかったことが何度もありました。

 そういう時は、理解してもらうために何が足りなかったのかを考えて、次に臨むようにしています。言葉や考え方の違いなど、難しい部分もありますが、これからも心がけていきたいと考えています。

生活をする中で感じること

 タイ語がとても難しいと感じています。もともと福井生まれ、福井育ちの私は今でもなまりが抜けません。日本語のイントネーションも怪しい私にとって、同じ音なのに声調の違いで言葉の意味が異なるタイ語がなかなか頭に入ってきません。たまにタイ語を話すと、「発音が違います」とよくダメ出しされます。勉強不足のせいもありますが、タイ語にも日本語のなまりが出ているのではないかと感じています。「ありがとう」をタイ語で書くと「ขอบคุณ」。全く読めません。文字の方もハードルが高そうです。

写真:生産部の部会/生産部長が中心となって問題解決に向けた対策を議論中生産部の部会
生産部長が中心となって問題解決に向けた対策を議論中

写真:ランチタイム/バンプー工場の社員食堂はガーデンビュー!ランチタイム
バンプー工場の社員食堂はガーデンビュー!

バンコク最新情報!

 バンコクにある日本人御用達の「エンポリアムデパート」がリニューアルオープン。さらに、スクンビット通りを挟んだ反対側に、「エムクオーティエデパート」(通称エンポリ2)が今年の3月末にオープンし、注目のショッピングスポットになっています。

 日本人に馴染みの深いお店や有名ブランド店等々、多数のお店が出店しています。また、レストランなどの飲食施設も充実しており、中でも台湾発のフライドチキンのお店「Hot-Star」や、クロワッサンたい焼きのお店がタイ人にも人気で、いつも行列が出来ています。

 BTSに直結していて、日本人が多く住む地域かつ、とても行きやすい環境にあるので、これから行く機会が増えそうです。

写真:エムクオーティエデパートエムクオーティエデパート

写真:Hot Starの店の様子Hot Starの店の様子

写真:Hot Starのチキンを頬張る宇熊さんの息子さんHot Starのチキンを頬張る
宇熊さんの息子さん