Global Eyes

中国からのレポート

REPORTER: 南通帝人有限公司 総経理 三森 啓章

2013年10月 Nantong 中国・南通

時代の変化に対応し、日中スタッフが一丸となって
南通帝人ブランドのさらなる飛躍を図る

REPORTER: 南通帝人有限公司 総経理 三森 啓章

三森総経理からのメッセージ

真のテキスタイル中核生産販売拠点を目指して

写真:真のテキスタイル中核生産販売拠点を目指して

 南通帝人は、来年設立20周年を迎えます。その間、我々を取り巻く環境は猛烈なスピードで変化していきました。その変化に歴代の総経理はじめ、中日スタッフが懸命に対応した結果が今日につながっていることを痛感しています。当初は主力仕向地日本、衣料全般用途でスタートしまたが、時代の変化に対応し、販売面では中国内需主力への転換と自販体制の確立、商品的には高密度織物への集中化という変貌を遂げられたのが20年の節目を 迎えられる大きな要因です。

 ただし、設立当初から不変であるものがあります。一つは徹底した品質管理で、この積み重ねにより中国内では南通帝人ブランドは高品質の代名詞となっています。もう一つは環境・安全への対応で、常に排水などにも時代の先をゆく設備を取り入れ、安全にも力を注いできました。その結果、江蘇省や南通市からも最優秀の認定を受けています。

 今後も、高品質・環境安全第一という基本理念をベースに、製品事業グループの真のテキスタイル中核生産販売拠点を目指します。それにはさらなる飛躍と変貌が必要です。

 まずは、真の開発力をつけることです。今までは、日本の商品を追いかける開発が多かったことは否めませんが、マーケティング力の強化と 来年設立される研究開発センターとの連携により、市場をリードする新商品を創出していきます。

 また、設備・技術を生かした用途の多様化に取り組むことも重要です。既に寝装、医療介護向けなどの用途開発に取り組み、一部成果も出始めていますが、今後とも製品事業グループの皆さんの協力も得ながら、更なる拡大を図ります。また培った技術をベースに外部企業とも連携すること で、展開商品の幅出しや製品販売も手掛けていくつもりです。

 この中国の地でも、帝人フロンティアの理念である「付加価値創造型グローバルコンバーター」を実現すべく、社員一丸となって進んでいきますので、是非ご支援をお願いします。

南通帝人有限公司のご紹介

会社の成り立ち

写真:南通帝人有限公司のご紹介(1)

写真:南通帝人有限公司のご紹介(2)

 私たち南通帝人有限公司は、中国の南通市でポリエステル長繊維織物の織布・染色加工および販売を行っています。約1,300人の従業員が日々業容拡大に邁進しています。

 南通帝人は1994年3月に設立、1995年9月に操業を開始しました。裏地染色からスタートし、その後、表地染色、裏地織布、表地織布と順次拡大していき、2001年3月に現在の形となりました。

取扱い製品

 もともと南通地域は繊維産地であり繊維に理解が深く、また人材のレベルが高いうえに公営排水設備が整備されていたことなど、テキスタイル事業を展開するための環境が整っていたことが南通へ進出した理由です。当初は婦人用裏地を中心とした委託加工を行っていましたが、中国国内でのスポーツウェアやダウンジャケット向けの高密度織物マーケットが急速に拡大したことに対応し、生産販 売構成を転換、自社による中国国内販売を順次拡大し、現在では販売量のほぼ9割が高密度織物となり、販売先も約8割が中国国内向けとなりました。

 自社生産に加え、優良な外注工場を積極的に活用することにより、中国の大手顧客はもとより、日本および海外の大手スポーツ・ファッションアパレルの中国拠点にも高品質な製品をタイムリーに供給しています。

環境への配慮

 また年々厳しくなる環境基準にも対応、特に早くから高性能の排水処理設備を整備するとともに2008年には排水回収設備も導入しました。こういった活動が評価され、2010年以降、南通市から環境評価で最優秀企業(緑色企業)の認定を継続して取得しています。

4つの工場の生産設備と製品の特徴

染色第一工場

 当初は日本品質の裏地を中国で量産することを狙いとしていました。5~6年前に中国企業が圧倒的な低コストで市場に参入してきたため、裏地を縮小しスポーツ織物に転換、中国企業に負けないコストで生産を続けています。またニットの一貫加工もできるような設備を導入しましたので、更に対応用途が広がるものと期待しています。

染色第二工場

 スポーツ織物と婦人厚地向けの設備を有し、中国企業の染工場も簡単にコピーできない高品質高品位の優れた風合いの厚地織物を生産しています。そして、当社独自設計の樹脂加工機で開発した耐久撥水性のあるスポーツ織物は現在の主力商品です。スポーツ織物のバリエーションを拡大するために2004年にはコーティング機を、2011年にはラミネート機を導入しました。

織布第一工場

 ウォータジェットルーム織機 (以下WJL) が主力機種です。486台ある WJLのうち、昨年80台を超細番手の糸にも対応できる新型機に更新しました。一方、外注協力工場へは常時担当者を派遣し、厳しく品質管理を行っています。当社がC反と判定したものが、別の中国市場ではA反に相当すると聞いたことがあります。当社品質基準が高いことの表れです。

織布第二工場

 96台のレピア織機により、婦人向けの高付加価値織物を生産しています。立ち上げ当初は最先端であった設備を現在でも使いこなし、高品質な生地を安定生産しています。

 今後も中国のテキスタイルビジネスの発展と帝人グループのグローバル・オペレーションの発展にお役に立てるよう、努力していきたいと考えています。

南通帝人の3つの事務所

上海事務所

 南通帝人上海事務所は中国経済を支える活躍をしている大都会上海にあり、新規客開拓、情報収集など、展示ルームとして、南通帝人の重要な窓口であります。

 オフィスには社員が6名おります。中国内販ビジネス、海外への輸出ビジネスを日々成長させるため機能を強化し、南通工場と連携しながら、常に目標以上の結果を出すことを目指して頑張っています!

写真:左から、王さん、全さん、許さん、 陸さん、夏リーダー、李さん左から、王さん、全さん、許さん、 陸さん、夏リーダー、李さん

写真:上海事務所

広州事務所

写真:左から李さん、浦リーダー左から李さん、浦リーダー

 南通帝人広州事務所は2004年に設立され、現在2名で主に華南地区のアパレル、SPA、問屋へ南通帝人の商品を販売促進しています。広州から香港まで電車で約2時間、マカオまでバスで約2時間半、広州は中国 “南大門"と呼ばれ、1年中温暖な気候で夏が半年くらい続きます。また 「食は広州にあり」と言われるように広州料理は中国十大料理の一つです。

 広東省はもともと世界の加工中心地でしたが、加工賃の高騰により、今では多くの工場が広東省から撤退し始めています。しかし広州は繊維産業が盛んな街で依然として中国の60%のレディスファッションブランドが集まっており、南通帝人の有力商品売り込みに新規開拓、顧客フォローと、日々努力しております。

大連事務所

写真:陳さん陳さん

 南通帝人大連事務所は2011年3月に設立されました。主な仕事は大連市を中心として、遼寧、吉林、黒竜江の東北三省のアパレル、貿易会社などに調査、提案、開発、販売のフォローをすることです。大連市は中国の“北香港”と呼ばれ、アパレルが多い町です。活発な経済と美しいビーチも有名です。

 将来、大連事務所が既存の商圏をもっと拡大するため、新しい情報を収集し、南通工場および営業の同僚と協力して、お客様に満足してもらうために頑張っています。

NEWS!

本年度、日系企業で唯一の「環境保護模範企業」を初認定、
「緑色企業」は3年連続の認定を受けました!

 私たち南通帝人は、このたび中国における企業の環境に対する貢献度評価において、江蘇省環境保護庁から最高ランクである「緑色企業」の認定を受けるとともに、南通市環境保護局から「環境保護模範企業」として初めて認定されました。

 江蘇省環境保護庁は、年1回、前年度の企業の環境に対する貢献度を「緑」「藍」「黄」「紅」「黒」の5段階で評価しており、南通帝人が認定された「緑色企業」は最高ランクの評価です。南通帝人は、2010年度より3年連続で「緑色企業」に認定されました。

 また南通市環境保護局から「環境保護模範企業」として認定を受けましたが、今回この認定を受けたのは4社のみで、日系企業では南通帝人が唯一 となります。

 帝人グループは持続的発展が可能な社会を希求し、企業理念の一つである「地球環境との共生を図り、自然と生命を大切にします」を実現するため、資源・エネルギーの有効活用と環境負荷低減を推進し、地球環境保全に努めています。このたびの認定を契機として、南通帝人はより一層環境経営を推進していきます。

写真:「緑色企業認定」プレートを前に工場正門にて。前列左から陳さん、施さん、孫さん。後列左から王(旭翔)さん、王(飛)さん、戎さん、唐さん「緑色企業認定」プレートを前に工場正門にて。
前列左から陳さん、施さん、孫さん。後列左から王(旭翔)さん、王(飛)さん、戎さん、唐さん

写真:工場内の排水回収装置によって濾過された水工場内の排水回収装置によって濾過された水

~異文化環境で働くということ~

駐在員の声
中国での生活は 文武両道、日々鍛練 営業部門長 大河原 茂

写真:休日に中国東北部にある「長白山」にて休日に中国東北部にある「長白山」にて

写真:熊蝉を食する会にて、捕獲中熊蝉を食する会にて、捕獲中

 当社駐在員の重要な仕事は、お客様、関係先、社内のキーマンとの密接な交流です。中国の方々の教養水準は非常に高く、わずかな雑談の際も当方の文化の無さを見抜かれてしまいます。「没有文化」では人間扱いされませんので、日々情報を集め、経験を積み、学習していかざるを得ません。

 毎朝キオスクで買った地元紙を3紙程斜め読みして出勤、週刊の時事誌も目を通し、時間があれば旬の新刊書や国産映画を観賞することも話題作りには重要です。

 季節毎の地場食材も意識して食べてみないと「文明人」とは呼ばれません。南通であれば、ザリガニ、刀魚、揚子江河豚など。地方に行けば蛇や犬は日常的な食材ですが、サソリ、鰐、カブトガニなどは率先してチャレンジしないと「余裕の無い人間」と呼ばれます。先日は夏の珍味といわれる熊蝉を自ら捕まえて、手焼きにして食する会に参加してきました。

 心の教養をつけるため、武当山に籠って師父に太極拳を学んだこともあります。運動面では接待バドミントンが関係を深める貴重な機会です。「下手すぎず、上手すぎず」、という水準を保つため、毎週コートを予約して練習会に参加しています。マラソンブームで接待ランも人気が出始め、ジョギング練習も日課となりました。中国での生活は文武両道、日々鍛練で大変忙しいです。

ナショナルスタッフの声
名刺交換も要注意! 業務部門 業務部長 劉 東

写真:業務部門 業務部長 劉 東

 南通帝人で業務の仕事をしていると日本人との交流が多いため、日頃から日本式のビジネスマナーを、自分の目で見て身に付ける必要があると思っています。中国国内ではあまり気にしていないマナーが日本人との交流には必要です。最近、特に気になった名刺交換のマナーについて紹介します。

 日本人と仕事で初めて会うときには、まず自己紹介と名刺交換をすることが習慣化されています。中国人は名刺を持たない人も多いですが、日本人と会う時は名刺を忘れてはいけないと思います。

 日本人の多くの人がもらった相手の名刺に情報をメモしています。面会の日付、場所など。名刺をコピーしてファイルする場合も多いです。ですから中国で人気の個性的な名刺は不便です。たとえばピカピカの材質を使用した名刺はメモがしにくいです。カラー名刺はコピーした後、字が写りません。

 中国人は名刺に普通は自分の携帯電話番号を入れています。日本人の名刺には普通はオフィス電話、メールアドレスだけを入れています。日本人の携帯に仕事の電話をかけると嫌がられるケースが多いようです。日本人のビジネス関連の連絡は原則オフィス電話までです。中国人は勤務時間以外も個人の携帯を使って仕事している人が多いです。

 名刺交換の方法も要注意です。中国では名刺を相手に渡す時、自分の方に字を向けながら渡す人が多いです。日本では、受け取った相手がすぐ読むことができるような向きで渡すのが礼儀です。机をはさんでの名刺交換も日本の礼儀上よくないです。しっかり向き合って名刺を手渡す必要があります。自社の他の人間が名刺交換する時に、座っていてはダメです。一緒に立って注目する必要があります。

 以上のように名刺交換だけでも注意点がとても多いです。異文化間の交流を通して、常に心を使って、覚えて、身に付けて、習慣にして、自分を成長させ、仕事を上手く展開していきたいと考えています。

長川董事長からのメッセージ

帝人版プロジェクトX 董事長 長川 研一

写真:董事長 長川 研一

 よくこんなに立派な会社になったなと、感慨深いものがあります。成功の要因はいろいろあると思いますが、結局は歴代の日本人関係者と中国人社員が知恵を出し、踏ん張って頑張った結果です。成功への道程はまさに帝人版プロジェクトXです。とはいうものの、南通帝人を取り巻く環境はめまぐるしく変化しています。政治的な日中関係に翻弄されることもあります。

 そんな中で成長を持続していくのは今までにも増して大変なことですので、引き続き帝人フロンティア挙げてのご支援をよろしくお願いいたします。

 最後に、日本の皆さん、南通帝人の社員は、明るくて人懐っこくていい人ばかりですが、酒鬼が多いです。機会があれば訪問して、是非交流してみてください。

 南通帝人的各位、今后也一起努力吧 !