ニュースリリース

2018/02/01
がん薬物療法の副作用に対応
生活アシスト手袋および指サックの開発について

 国立大学法人浜松医科大学(本部:静岡県浜松市、学長:今野 弘之)と帝人フロンティア株式会社(本社:大阪市北区、社長:日光 信二)は、指紋消失による指先の摩擦力消失などのがん薬物療法による副作用に対応した、生活アシスト手袋および指サック「ナノぴた™」を開発しました。

写真:「ナノぴた™」冬用「ナノぴた™」冬用

写真:「ナノぴた™」夏用「ナノぴた™」夏用

1. 開発の背景

  • (1) がんは、日本人の2人に1人の割合で罹患する可能性のある疾病で、がん薬物療法により、指紋消失や末梢神経障害による指先のしびれや痛み、手に力が入らない、手が冷たいなどの副作用に悩まされている患者さんがいます。
  • (2) 特に指紋消失による指先の摩擦力の消失については、紙面がめくれない、瓶のキャップを開けられないなどの状況を引き起こし、日常生活におけるQOL(Quality of Life)の低下を余儀なくされています。
  • (3) こうした中、浜松医科大学の針山教授が培ってきたバイオミメティクスの発想、がん薬物療法に携わる医療従事者の知見、そして、帝人フロンティアの超極細繊維「ナノフロント®」の技術を融合することで、産学連携による価値創出として「ナノぴた™」を開発し、このたびの製品化につなげました。

2. 「ナノぴた™」の特長

(1) 高いグリップ力
「ナノぴた™」の掌側には直径700nm のポリエステルナノファイバー「ナノフロント®」を使用しており、「ナノフロント®」の持つ高い摩擦抵抗力により高いグリップ力を実現しています。なお、浜松医科大学の針山教授のバイオミメティクス研究により、「ナノフロント®」の表面構造は、ニホンヤモリやユリクビナガハムシなどの接着力の高い生物の脚先の構造と類似していることが確認されています。

グラフ:「ナノぴた™」と一般手袋の摩擦抵抗比較「ナノぴた™」と一般手袋の摩擦抵抗比較

図:「ナノフロント®」と生物の脚先「ナノフロント®」と生物の脚先

(2) 遮熱効果、紫外線ブロック効果
「ナノフロント®」の持つ超微細な繊維構造が高い拡散反射性を実現し、熱を伝える近赤外線を反射することにより遮熱効果を発揮します。また「ナノぴた™」には、紫外線カット効果のあるポリエステル糸を使用しているため、紫外線による皮膚障害の悪化を防ぎます。
(3) 夏用・冬用をラインナップ
「ナノぴた™」は夏用と冬用の2タイプの仕様を展開するため、年間を通して使用することができます。夏用は、グリップ力を保ちながら冬用よりも通気性が高い仕様となっています。また、洗濯耐久性があるため、繰り返しの使用が可能です。

3. 今後の展開

  • (1) 本年8月31日~9月1日に福岡国際会議場で開催される日本がんサポーティブケア学会の学術集会において、初めて「ナノぴた™」を展示します。
  • (2) 帝人フロンティアは、2018年秋より国内の医療商社を中心に幅広く「ナノぴた™」を提案し、積極的に拡販を図っていく予定です。
  • (3) 浜松医科大学と帝人フロンティアは、今後も産学連携によってこれまでにない価値創出を推進し、患者さんのQOL向上に貢献していきたいと考えています。

当件に関するお問合せ先

国立大学法人 浜松医科大学 総務課 広報室
TEL:(053) 435-2151
帝人株式会社 コーポレートコミュニケーション部
TEL:(03) 3506-4055