TEIJIN帝人フロンティア株式会社

過去の新着情報

2015/12/03
特殊断面多機能繊維「オクタ®」の新シリーズ
「オクタ®Neo」の開発と販売について

 帝人フロンティア株式会社(本社:大阪市中央区、社長:日光 信二)は、このたび、自社が展開する中空8フィン断面の多機能繊維「オクタ®」(*1)の長繊維と、様々な合成繊維や天然繊維の短繊維を独自技術で複合した特殊多層構造繊維「オクタ®Neo」を開発しました。

写真:「オクタ®」「オクタ®」

 「オクタ®Neo」は、繊維そのものの特性とテキスタイル技術との融合により、「オクタ®」が持つ軽量嵩高性や吸水拡散性と、短繊維の持つ肌触りの良い風合いを同時に実現した快適機能素材です。

帝人フロンティアは、「オクタ®Neo」を2017年春夏向けスポーツウェア用途の重点プロモーション素材と位置付け、スポーツ、インナー向けを中心に幅広く用途展開し、積極的に拡販を図っていきます。

(*1)「オクタ®」:穴の空いた中空糸に8本の突起を放射線状に配列した中空8フィン断面の多機能ポリエステル繊維。通常の丸断面繊維に比べて1/2程度の軽量感で、通気性に優れる。また、8つのフィンが水の通路を形成することにより、優れた拡散性を持ち、吸汗速乾性に優れる。

1. 開発の背景

(1) 現在、スポーツ市場では優れた機能性と品位を追求するため、合成繊維の長繊維素材が広く普及していますが、従来の長繊維では実現できない、より肌触りの良い風合いが求められています。

(2) これに対して短繊維は、風合いに対する要求は満たせるものの、強度やストレッチ性に課題があり、市場では、両者の特長を融合した今までにない新しい素材の開発ニーズが高まっています。

(3) こうした中、帝人フロンティアは、自社の差別化ポリエステル繊維「オクタ®」の長繊維と、様々な合成繊維や天然繊維の短繊維を独自技術で複合することにより、長繊維の持つ品位や機能性と、短繊維の持つ風合いを同時に実現する特殊多層構造糸「オクタ®Neo」の開発に成功しました。

2. 素材の特徴

写真:「オクタ®Neo」「オクタ®Neo」

■長繊維と短繊維を高次元で複合した特殊多層構造糸
独自技術により、「オクタ®」を芯として周囲に短繊維 を配した芯鞘特殊多層構造繊維を開発しました。鞘となる短繊維はポリエステルなどの合成繊維や天然繊維などで、商品の要求特性に応じた組み合わせにより、より多様な機能バリエーションの実現が可能です。
■長繊維と短繊維の長所を融合した機能性
「オクタ®」を使用することによる嵩高軽量性、優れた吸水拡散性と、短繊維の特徴である肌触りのよい風合いを同時に実現しました。さらに、短繊維単独では難しかった適度なハリコシのある風合い、ストレッチ性、通気性も実現し、ナチュラルタッチでありながら優れた機能性を併せ持ちます。
「オクタ®Neo」
「オクタ®」による特性 短繊維により付加される機能

<機能性>

軽量嵩高性、優れた吸水拡散性ハリコシのある風合い、通気性

<品位安定性>

防透性、ストレッチ性破裂強度、洗濯後の寸法安定性

綿:吸水性、風合い など

レーヨン:吸湿性、冷感 など

アクリル:保温性 など

ウール:吸湿性、保温性 など

「オプトセンサー®」(*2):蓄熱・保温

「サンバーナー®」(*3):吸湿発熱

(*2)「オプトセンサー®」:太陽光の近赤外線を吸収し熱に変える吸熱・保温素材

(*3)「サンバーナー®」:人体などからの湿気(水分)を吸収し発熱する吸湿発熱素材

■多様な商品展開

「オクタ®Neo」だけを使用しても優れたパフォーマンスを発揮しますが、さらに高バランス織編物「デルタ®」(*4)や、汗による不快感を軽減する「トリプルドライ®カラット®」(*5)など、自社の特殊機能素材と組み合わせることにより、多様な商品展開が可能です。また、織編技術を駆使して様々な機能素材と交織編することにより、春夏物に限らず、オールシーズン対応の商品開発・展開が可能となり、さらに長繊維では難しかったTシャツ、ポロシャツ、肌着、ジーンズなどの短繊維用途へも幅広く用途展開が可能です。

(*4)「デルタ®」:緻密でフラットな表面と高い嵩高性を実現した物性、機能性、質感に優れた織編物

(*5)「トリプルドライ®カラット®」:吸汗・速乾機能に加えて、"汗冷え防止"や"べとつき防止"の機能を備えた織編物

3. 今後の展開

(1) 帝人フロンティアは「オクタ®Neo」を定番商品と位置付け、スポーツ・インナー用途をはじめ、学販・ユニホームなどの機能性衣料用途、さらに寝具や産業資材用途などへと幅広く展開し、拡販を図っていきます。

(2) 2016年度よりスポーツ・インナー用途を中心に販売を開始し、2017年度は10万m/年、2019年度には50万m/年の販売を目指します。

当件に関するお問合せ先

帝人株式会社 コーポレートコミュニケーション部 TEL:(03) 3506-4055