2016/12/02
ポリエステル繊維、アラミド繊維の事業強化に向けて
顧客価値の提供に最適な組織への再編
帝人株式会社(本社:大阪市中央区、社長:鈴木 純)は、現在、高機能繊維・複合材料事業グループ 高機能繊維事業本部で展開している産業資材用途のポリエステル繊維関連事業を、2017年4月1日付で製品事業グループに統合し、「繊維・製品事業グループ」として事業の強化・拡充を図るとともに、高機能繊維事業本部はアラミド繊維関連に特化して事業展開していくこととしました。
帝人グループはこのたびの組織再編を通じて、産業資材用途のポリエステル繊維関連 事業とアラミド繊維事業、それぞれのビジネス領域における顧客価値の最大化に向けて、より最適な商品・サービスを提供する体制を構築します。そして、帝人グループの高機能 素材や技術の複合化によってさらにソリューション提供力を強化し、顧客とともに「社会 が必要とする新たな価値を創り上げる」ことにより、「未来の社会を支える企業への変革」 に積極的に取り組んでいきます。
1. 背景
- (1) 高機能繊維事業本部は、顧客が求めるソリューションを迅速に察知・提供することを目的として、2012年10月に産業資材用途において国内のポリエステル繊維事業とアラミド繊維事業を一体化し、素材の最終用途に重点を置いた市場展開を加速してきました。
- (2) 一方、製品事業グループは、帝人フロンティア株式会社を中核に、帝人グループが長年蓄積してきた繊維加工の技術などを最大限に活用した幅広い素材展開や、流通におけるノウハウとネットワークとの統合を図り、開発力・技術力と幅広い素材調達力とを併せ持った事業展開をしてきました。
- (3) こうした中、高機能繊維事業本部が有するポリエステル繊維の開発・生産機能と、製品事業グループの持つ加工技術および販売機能に相互補完する要素が多いことから、双方の技術・機能・販売力を統合することによって、顧客へのソリューション提供力をさらに強化する方策を検討してきました。
- (4) また、アラミド繊維については、優れた強度、弾性、耐衝撃性などの特性を活かし、今後成長が予想されるグローバル市場に対応できる販売機能の強化が強く求められるようになっています。
2. 新体制について
- (1) 帝人は、高機能繊維事業本部と製品事業グループがそれぞれに培った知見を基に、さらなる成長に向けてより高い競争力を持つ事業体へと進化するため、現在、高機能繊維事業が展開しているポリエステル繊維関連事業を製品事業グループに統合することとしました。
- (2) 新たに発足する繊維・製品事業グループでは、衣料用途において製品事業グループが有していたテキスタイル加工、縫製品供給力に加え、新たに原糸の研究開発・生産に至るまでの一貫したサプライチェーンを持つことにより、これまで以上の開発力・提案力を有する事業体を構築していきます。
- (3) また、産業資材用途においても、原糸・原綿の研究開発機能および生産機能を加えることにより、素材開発・生産から加工、製品生産に至る広範囲な製品供給力を持ち、自動車用途などを中心に、顧客から信頼されるより高い付加価値を提供する事業体を確立していきます。
- (4) 一方、アラミド繊維事業については、異なる特性を持つパラ系とメタ系のグローバル展開をより包括的に進めていくため、テイジン・アラミドB.V.(オランダ・アーネム市)が世界各地に持つ事業拠点や販売ネットワークを活用しながら、より幅広い分野・用途に向けたソリューション提供を推進していきます。
【高機能繊維・複合材料事業グループ長 遠藤 雅也のコメント】
高機能繊維事業本部は、自動車、寝装、インフラなど、産業用途の幅広い領域に向けてポリエステル繊維事業を展開し、素材メーカーとしてお客様への新たな価値創造の提案を進めてきました。このたびの事業統合により、ポリエステル繊維のソリューション提供力がより一層強固なものになると確信しています。また、アラミド繊維についても、グローバルかつ多様なニーズへの対応力強化に向けて、これまで以上に積極的な取り組みを展開していきます。
【製品事業グループ長 日光 信二のコメント】
製品事業グループは、衣料用途のポリエステル繊維において「商」と「工」のハイブリッドで事業を展開し、お客様のニーズに常に耳を傾けながら独自のソリューション提案を進めてきました。このたびの事業統合によって新たに生まれる繊維・製品事業グループは、これまでの製品事業グループが積み重ねてきた知見を産業用途のポリエステル繊維事業にも取り入れ、生産から販売までの一貫体制での事業展開を積極的に推進していきます。
当件に関するお問合せ先
帝人株式会社 コーポレートコミュニケーション部 TEL:(03) 3506-4055