TEIJIN帝人フロンティア株式会社

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2017/11/16
“上質な黒”と“軽量感”を兼ね備えた
「シルフィル®セレヴィ™」の開発と販売

 帝人フロンティア株式会社(本社:大阪市北区、社長:日光信二)は、上質な黒と軽量感を兼ね備えたフォーマルブラック素材「シルフィル®セレヴィ™」を開発しました。

 11月16日・17日に東京都港区北青山の「TEPIA」で開催される帝人フロンティアの総合展示会(2018年秋冬向け素材を展示)において、「シルフィル®セレヴィ™」のテキスタイルと製品サンプルを展示する予定です。

1. 開発の背景

  • (1) 昨今、フォーマルブラック市場においては、高い深色性による上質な黒色に加え、軽量感やイージーケアなどの機能性および風合いを併せ持つ素材の需要が高まっています。
  • (2) 一方、フォーマルブラック素材に高い深色性を持たせるためには、生地表面の光反射を封じ込めたり、生地の隠蔽性を上げるために生地を収縮させて密度を高めることが必要なため軽量化が困難とされており、軽量化のために生地密度を低下させると、透過性が増して生地の深色性が減少し、フォーマルブラックとしての使用が難しいという課題がありました。
  • (3) こうした中、帝人フロンティアは、新規ポリマー技術をベースに、糸、構造体、染色後加工技術を最適化することにより、高い深色性を維持しながら、軽量感があり、ドライな風合を兼ね備えた新素材を開発しました。

2. 「シルフィル®セレヴィ™」の特長

 「シルフィル®セレヴィ™」は、上品な黒の質感を備えながら、従来品にはない軽量感や優しいドライタッチの風合いを実現しました。さらに、新たな原糸設計により生地表面の摩耗抵抗力を低減したことで、耐アタリ性(*)が向上しました。

(*) 耐アタリ性:アイロンやプレス機などの圧力によって生地の繊維表面がつぶされて発生する光沢の抵抗性。

(1) 生地の収縮に頼らない深色化技術
深色性と軽量化を併せ実現するため、新規ポリマー技術と配向制御による糸加工技術を組み合わせることで新規ポリエステル混繊糸を開発し、糸自体に膨らみを持たせて光反射を抑えるために低屈折率薄膜加工を行いました。これにより、生地収縮に頼らずに透過性を抑制することが可能となり、深い黒と軽量感の両立を実現しました。

<「シルフィル®セレヴィ™」のポジション>

図:「シルフィル®セレヴィ™」のポジション

(2) 耐アタリ性向上
従来は、糸を高収縮させることで深色を出していましたが、収縮を高めることで繊維密度が高まり、糸の接触面積が高くなるため、摩擦で白化しやすいという問題がありました。これに対して「シルフィル®セレヴィ™」は、単糸繊度の最適化や糸構造の再設計により糸が低収縮・高嵩高となっているため、摩擦による白化を低減することができました。

<「シルフィル®セレヴィ™」と従来品との比較>

  「シルフィル®セレヴィ™」 従来品
生地内の糸の柔らかさ 柔らかい 普通
構造体の糸摩擦表面積
構造体の糸摩擦抵抗力
耐アタリ性(当社比較) 4~5級 4級

写真:断面写真断面写真

写真:表面写真表面写真

3. 今後の展開

 帝人フロンティアは、フォーマルブラック用途を中心に「シルフィル®セレヴィ™」のテスト販売を開始し、積極的に拡販を図ることにより、2019年度には売上2億円を目指します。

当件に関するお問合せ先

帝人株式会社 コーポレートコミュニケーション部 TEL:(03) 3506-4055