TEIJIN帝人フロンティア株式会社

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2017/11/30
新たな質感の高機能ニットラミネート素材
「ファインセル®」の開発と販売について

 帝人フロンティア株式会社(本社:大阪市北区、社長:日光信二)は、新たに開発した超ハイゲージ丸編地と薄膜フィルムを融合させることにより、薄さ、軽量性、透湿性に優れ、今までにない新たな質感を持つ快適ニットラミネート素材「ファインセル®」を開発しました。

 帝人フロンティアは、「ファインセル®」を2019年春夏向けスポーツウエア用途の重点プロモーション素材と位置付け、今後、スポーツを中心に幅広く用途展開し、積極的に拡販を図っていきます。

1. 開発の背景

写真:「ファインセル®」

  • (1) 主にスポーツやアウトドア用として使用される高機能アウター商品には、織物に透湿フィルムを貼り合わせた素材が広く使用されており、高透湿・高耐水圧などの高機能化、軽量化、ストレッチ化などにより進化してきました。そして、近年はさらに着用快適性と運動性能を追求した、多用途において着用可能な商品開発ニーズが高まっています。
  • (2) 一方、素材に着用快適性と運動性能を付与するためには、風合いが柔らかで、ストレッチ性に優れるニット生地を基布としたラミネート素材を使用することが必要となりますが、それでは品質安定化の面から捲縮加工糸を使用した2層構造のニット製品に限定されてしまい、生地が厚く、重くなり、外観や風合いの高級感を欠いてしまうという課題がありました。
  • (3) こうした中、帝人フロンティアは、細い非捲縮糸を使用したハイゲージシングルニットの編立と染色の技術、およびそれを基布とした薄膜フィルムのラミネート加工技術を確立することにより、機能性、着用快適性、および外観、風合いを兼ね備えた新素材「ファインセル®」を開発しました。

2. 「ファインセル®」について

(1) 技術内容
原糸技術
  • ポリマー技術
  • 細デニール製糸技術(*1)
  • 原糸品質管理(染着・毛羽)
編立技術
  • 非捲縮糸ハイゲージ編立技術(*2)
  • 生機管理(品質・取扱い)
加工技術
  • 超薄地軽量ニット染色加工技術
  • ストレッチラミネート技術(*3)
  • 生産管理(品質・加工性)

(*1) 細デニール製糸技術:細い原糸を製造する技術

(*2) 非捲縮糸ハイゲージ編立技術:非捲縮糸を細かい編み目で編む技術

(*3) ストレッチラミネート技術:ストレッチ編地とストレッチフィルムを貼り合わせる技術

(2) 性能・特長
 薄地軽量で、快適なストレッチ性、高い回復性、高透湿性などの機能性を有し、さらにマットな光沢感や透明感のある外観、およびドレープ性のある滑らかでソフトな風合いを併せ持っています。また、コンパクト性にも優れています。

<「ファインセル®」と従来品との比較>

  「ファインセル®」 従来のニットラミネート素材
生地断面 写真:「ファインセル®」 写真:従来のニットラミネート素材
厚み 0.11mm 0.36mm
透湿性 100,000g/m²/24h 30,000g/m²/24h
生地重量 33g/m² 80g/m²
製品重量 110~130g/着 230~250g/着

3. 今後の展開

  • (1) 高強力ポリエステル糸「パズモ®」を使用した高機能タイプ、およびリサイクルポリエステル繊維を使用した環境配慮タイプから展開を開始します。
  • (2) スポーツ(アスレチック・アウトドア)用途をはじめ、ファッション用途などへと幅広く展開して拡販を図り、2018年度には50,000m、2020年度には300,000mの販売を目指します。

当件に関するお問合せ先

帝人株式会社 コーポレートコミュニケーション部 TEL:(03) 3506-4055