TEIJIN帝人フロンティア株式会社

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2018/11/29
着用快適性を追求した新素材
「デルタSLX」の開発と販売について

 帝人フロンティア株式会社(本社:大阪市北区、社長:日光 信二)は、独自のストレッチ性能による理想的な着圧感と、天然素材のような新しい風合いおよび外観を兼ね備え、着用快適性を追求した新素材「デルタSLX」を開発しました。

 帝人フロンティアは「デルタSLX」を、2020 年春夏向けスポーツウェア用の重点プロモーション素材と位置付け、今後、スポーツ向けを中心として幅広い用途に展開し、積極的に拡販を図っていきます。

1. 開発の背景

  • (1) 近年、スポーツウェア市場のトレンドが、アスリート向けの高機能アスレチックウェアからアスレジャー志向のスポーツウェアヘと変化しており、優れた機能性とタウンウェアとしても着用できる天然素材調のナチュラルな質感を兼ね備えた商品に対するニーズが高まっています。
  • (2) この市場変化に対して帝人フロンティアでは、これまで「デルタ」シリーズをはじめとする緻密で均一なクリンプのある生地で機能性や風合いを追求してきましたが、それでは天然素材調の質感を得ることができず、市場ニーズに応えることができませんでした。
  • (3) こうした中、帝人フロンティアは、異なるクリンプをもつ 2 種類の繊維をランダムに配置した新しい構造の加工糸を開発し、ストレッチとキックバック性を持つ、ソフトで密度感のある織編物構造とすることで、理想的な着圧感と天然素材の ような風合いおよび外観の両立を実現する「デルタSLX」の開発に成功しました。

2. 技術の概要

(1) 原糸技術
「デルタ」の特殊マイクロクリンプの技術と、「ソロテックス」のコイル状にクリンプさせるコンジュゲート技術を複合させることにより、優れた着圧感と優れた吸汗速乾性、および軽量嵩高性を実現しました。
(2) テキスタイル技術
繊維のクリンプとランダムな配置を保つ編物・織物設計、および染色加工技術を開発することにより、天然素材調の風合いおよび外観を実現しました。
構造図

■糸構造

写真:糸構造

【糸構造のイメージ図】

糸構造のイメージ図

■生地構造
  デルタSLX レギュラーポリエステル
表面 写真:デルタSLX 表面 写真:レギュラーポリエステル 表面
断面 写真:デルタSLX 断面 写真:レギュラーポリエステル 断面

3. 商品の特徴

 「デルタSLX」は、「デルタ」に新たな質感と機能性を付与しました。

機能・特徴 概要
「デルタ」の機能 ①抗スナッキング性 緻密でフラットな表面構造でひっかかりにくい
②形態安定性 型崩れしにくく、シワになりにくい
③UVカット性 緻密な構造により優れたUVカット性
④ストレッチ性 ソフトなストレッチ性
⑤防透性 緻密な構造による防透性
新たな特徴
天然素材調の風合いおよび外観
  • ランダムな糸構造による天然繊維調の質感
  • ソフトで密度感のあるコンパクト性
②理想的な着圧感 「デルタ」のソフトな伸びと「ソロテックスの優れたキックバック性を複合させた独自のストレッチ性能
③優れた吸汗速乾性 2種類の異なるクリンプの複合による毛細管現象(レギュラーポリエステル製品対比2倍の速乾性
④軽量嵩高性 「デルタ」のマイクロクリンプと「ソロテックスのコイル状クリンプの複合効果

4. 今後の展開

  • (1) スポーツ用途をはじめ、ファッション用途、学生服・ユニフォームなどの機能性衣料用途などへと幅広く用途展開し、積極的に拡販を図っていきます。
  • (2) 初年度(2019年度)に10万m、2020年度に50万m、2021年度には100万mの販売を目指します。

当件に関するお問合せ先

帝人株式会社 コーポレートコミュニケーション部
TEL:(03) 3506-4055