世界に誇るアレコレ!?
社会課題の解決や自然環境との共生をめざす、
帝人フロンティアの産業資材ビジネスのスゴさとは?

※この記事は、2024年10月に読売新聞オンラインに記事広告として掲載されたものです。

帝人フロンティアが扱う繊維は、身近な衣料に使われているだけではありません。産業資材としても活躍し、世界が抱える課題の解決に貢献しています。新たに帝人フロンティアのCCP(Co-Creation Partner)に就任した元ラグビー日本代表キャプテンの廣瀬俊朗さん(写真右)は、そんな取り組みにも興味津々。今回は前編「高機能衣料素材編」 に続く後編「産業資材編」として、若手社員3人による廣瀬さんへのレクチャーの様子をご紹介します。

実物や模型を使ったプレゼン方式で楽しく学ぶ

産業資材として使われる繊維について語ろうとすると、どうしても工業的な堅苦しい話になりがちです。スケールが大きすぎて実感しにくくなることも……。
そこで、廣瀬さんにレクチャーする3つのテーマを、キャッチーなタイトルで表現し、できるだけ実物や模型を使いながら楽しくプレゼンテーションしてもらうことにしました。さて、「お手元に用意されたカードを読んでください」と言われた廣瀬さんは…?

メンバー

元ラグビー日本代表キャプテン
株式会社HiRAKU代表取締役

廣瀬 俊朗さん

帝人フロンティア株式会社
繊維資材部 大阪キャンバス資材課

大中原 照吾さん

帝人フロンティア株式会社
衣料マーケティング部 マーケティング課

村田 真結子さん

帝人フロンティア株式会社
短繊維素材第二部 SC課

中峰 玲奈さん

※出演者の部署 肩書等は、 撮影時 (2024年7月) のものです。

01

繊維のリサイクルで循環型社会へ

廣瀬

手元のカード…あっ、これですね。
「わたしより年上?今年で29歳」。これはどなたのテーマですか?

繊維のリサイクルで循環型社会へ
村田

はい、わたしです!
さっそくですが廣瀬さん、こちらをご覧ください。

繊維のリサイクルで循環型社会へ
繊維のリサイクルで循環型社会へ
帝人フロンティア 村田真結子さん
廣瀬

おっ、「エコペット」ですね!

村田

はい。「エコペット」は、1995年から私たちが販売しているリサイクルポリエステル繊維で、もうすぐ販売開始から30周年を迎えます!廃棄されていた素材が原料になるので、ゴミを減らすことができるんです。こちらが「エコペット」の原料になるものです。

繊維のリサイクルで循環型社会へ
廣瀬

ペットボトルと…布の切れ端?

村田

はい。「エコペット」をつくる方法は2種類あって、1つ目が、ペットボトルを原料に使う「マテリアルリサイクル」で、ペットボトルを細かく砕き、溶かして、チップにして、そこから糸を作ります。2つ目は、布の切れ端や繊維くずを使う「ケミカルリサイクル」。
簡単にいうと、この布の切れ端を化学的に分解して、素原料に戻し、チップにして、そこから糸を作る技術になります。

繊維のリサイクルで循環型社会へ
マテリアルリサイクル[ペットボトル→チップ→糸(繊維)]
繊維のリサイクルで循環型社会へ
ケミカルリサイクル[繊維くず→素原料→チップ→糸(繊維)]
村田

「エコペット」から生まれる製品は、たとえばこんなパーカーなどです。ちょっと触ってみてください。

繊維のリサイクルで循環型社会へ
廣瀬

気持ちいい肌ざわりですね!

繊維のリサイクルで循環型社会へ
村田

他にも適度なストレッチ性や引っかかりにくさなどの機能性を持つ生地なのですが、この生地の原料に「エコペット」が使われたりしています。

廣瀬

これらの衣類は、全部…「エコペット」でできているの?

村田

そうなんです。そして衣料分野だけではなく、産業資材分野にも「エコペット」は使われています。たとえば、電車のシートの構造体としても使われているんですよ。

繊維のリサイクルで循環型社会へ
電車のシートの構造体(左)のほか、枕の中材(左から2番目)などにも使われている
廣瀬

これは、いつもめちゃくちゃお世話になっているものですね!

村田

もともと電車のシートにはウレタン材が多く使われていたんですが、​「エコペット」を使用した構造体が採用されるようになってきました。この構造体は通気性が高く、軽量であると好評をいただいています。

繊維のリサイクルで循環型社会へ
村田

そして最後にご紹介するのが、「ナノフロント」という素材です。「ナノフロント」を使ったグローブをはめてみてください。

廣瀬

つかむとキュッと止まるような、しっかりしたグリップ感がありますね。

村田

はい。「ナノフロント」の直径は髪の毛の約7500分の1の細さで、細い繊維の摩擦力によって強いグリップ感が生まれるんです。こんな超極細繊維にも「エコペット」が使われているんですよ。

繊維のリサイクルで循環型社会へ
廣瀬

「エコペット」の用途は本当に幅広いですね!素晴らしいです。

02

太陽と仲良く、街ににぎわいを

廣瀬

では、次のテーマです。「国内シェア70%!あなたの街に、暮らしの中に」。

太陽と仲良く、街ににぎわいを
大中原

はい、わたしです!私が扱っている商材はこちらです。何かわかりますか?

太陽と仲良く、街ににぎわいを
帝人フロンティア 大中原照吾さん
廣瀬

カフェ…?ケーキ屋さん…?あっ、ポイントは屋根のところ?

大中原

そうです!私たちが扱っているのは「オーニング」と呼ばれるテント生地で、国内約70%のシェアを誇っています。お手元の商品カタログをご覧いただけますか? 色柄のラインアップは合計で230種類以上あり、毎年、トレンドに合わせて新色や新柄を開発しています。これらのオーニングに使うのは「シャガール」という生地で、先ほどご紹介した「エコペット」は、この「シャガール」にも使われています。

太陽と仲良く、街ににぎわいを
廣瀬

へぇ~、こんな製品にも使われているんですね。このストライプ柄、カワイイなぁ。見ているだけでワクワクします。

大中原

また私たちは、生地を販売するだけでなく、「solsol(ソルソル)」というイタリア製の大型パラソルの取り扱いも開始しました。
全部で15種類あり、大きいもので6×6m。お好みの生地でオリジナルのパラソルをつくることもできるので、リゾートホテルや飲食店で大好評をいただいています。

繊維のリサイクルで循環型社会へ
繊維のリサイクルで循環型社会へ
廣瀬

いや〜ホント、ウチの家にも欲しくなっちゃいました!

大中原

また、AR(拡張現実)機能を使ってタブレットのカメラをかざすと、好みのパラソルをその風景に映し出すことができるんです。パラソルを設置したシーンをイメージしやすくなるのですが、実際にやってみましょう。

大中原

おおー!!花園ラグビー場に、本当にパラソルが現れた!

繊維のリサイクルで循環型社会へ
繊維のリサイクルで循環型社会へ
ARアプリを使うと、テントを設置したシーンをカメラ上で見ることができる
大中原

ヨーロッパの飲食店では、屋外から席が埋まり、真冬でもパラソルの下でホットワインを楽しんでいます。そんな文化を日本にも広げていきたいと思っています。

廣瀬

私も海外へ行くことが多いんですが、よく見かける光景ですよね。みんなパラソルの下で楽しんでる。

大中原

2025年開催の大阪・関西万博の会場にも「solsol」は採用されていまして、万博に行かれる時は、ぜひ見つけてくださいね。

廣瀬

もちろんです!「solsol」ツアーを楽しみにしています。

03

水の中の、こんなところにテイジン

廣瀬

では次のテーマ、これが最後ですね。「グローバルトップシェア!世界の水を陰で支えるスゴい素材」。これは誰ですか?

水の中の、こんなところにテイジン
中峰

はい、わたしです!
まずはこちらをご覧ください。何の機械だと思いますか?

水の中の、こんなところにテイジン
水の中の、こんなところにテイジン
帝人フロンティア 中峰玲奈さん
廣瀬

んん、浄水装置…かな?

中峰

すごい!ありがとうございます。これは、海水から飲み水になる淡水をつくったりするのに使われる「ROモジュール」と呼ばれる装置です。いまは世界的に、飲み水や、半導体の製造に使われる純水など、水の重要性がとても高まっています。そんな中で、この「ROモジュール」が活躍しているんです。
この青い筒が、先ほどのROモジュールの中身になります

水の中の、こんなところにテイジン
廣瀬

これを作っているんですね。

中峰

いえ、違います。実は、この中には膜が入っていまして……

廣瀬

なるほど、この膜を作っているのですね。

水の中の、こんなところにテイジン
水の中の、こんなところにテイジン
ROモジュールを構成する膜材(フィルター)の断面図
中峰

いえ、それも違うんです。この膜は、紙の上に特殊な物質を塗って作られています。この紙の実物をお見せしますね。紙は水に弱いイメージがあると思いますが、この紙は普段、私たちが触っている紙とは違って破けにくいんです。

水の中の、こんなところにテイジン
廣瀬

やっと分かりました。この紙を作っているのでしょう。

中峰

廣瀬さん、実はそれも違うんです。私たちは紙そのものではなく、紙をすくための「繊維」をつくっているんです。紙の材料となる繊維の名前は「テピルス」。短く切った細いポリエステル繊維で、ROモジュールに使われる紙の材料として、日本国内だけでなく世界の製紙メーカーで使用されています。

水の中の、こんなところにテイジン
廣瀬

やっと、やっと、核心にたどり着きました!

中峰

この紙は、日本の伝統的な手すき和紙の技術を応用してつくられています。紙をすきあげる工程では、水の中で繊維がきれいに分散することが重要なんですが、「テピルス」はその点、とても分散性に優れているんです。ちょっと実験をしてみましょう。
こちらが「テピルス」の原綿です。今から、この繊維を水の中に入れて、まぜてみますね。

水の中の、こんなところにテイジン
水の中の、こんなところにテイジン
廣瀬

おおーーー!!あっという間に散らばった!!

水の中の、こんなところにテイジン
中峰

このように、きれいに分散するからこそ丈夫な紙ができるんです。「テピルス」はROモジュールを通して世界の水資源を支えている「影の立役者」とも言えます。

廣瀬

こういった日本の伝統技術が世界に広がるのはうれしいことですね。これから水の需要も高まりますし、ますます「テピルス」が活躍しそうですね。今日は知らなかったことばかり教えていただき、まさに目からウロコの思いです。ありがとうございました!!

水の中の、こんなところにテイジン
04

分かりやすく紹介!動画をチェック

学びの様子は動画でも。ぜひご覧ください。

学びを終えて

廣瀬 俊朗さん
廣瀬 俊朗さん

ラグビーの現役時代からよく海外に行く機会があり、「自分たちにとっての当たり前が、向こうでは当たり前ではない」ことを学びました。東日本大震災によって「自然との共生」が大切であることを痛感。「このままの社会でいいのか」という思いがふくらみ、環境問題や社会課題に目を向けるようになりました。最近はラグビーを始めとした文化交流のためにアフリカを訪れることが多いのですが、未だにインフラが整っていない地域が多いと感じています。

リサイクルによるゴミ削減や猛暑対策、きれいな水の確保など、解決しなければならない課題と正面から向き合う帝人フロンティアの姿勢には大いに共感しています。社名の通り、まさにフロンティアスピリットを持って取り組んでおられる皆さんと、がっちりスクラムを組み、思い描く世界を一緒に創っていきたいと考えています。

PROFILE

廣瀬 俊朗さん

元ラグビー日本代表キャプテン
株式会社HiRAKU代表取締役

(ひろせ・としあき)1981年大阪府吹田市生まれ。5歳からラグビーを始め、高校、大学、東芝、日本代表でも主将を務める。2016年現役引退。19年(株)HiRAKUを設立し代表に就任。スポーツの普及・教育・食・健康や、国内外の地域との共創に重点を置いた多岐にわたるプロジェクトにも取り組み、全ての人にひらかれた学びや挑戦を支援する場づくりを目指している。

Other Project

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