【特別対談】
「未来をひらく」人財を育てる。
挑戦を応援する仕組み作りとは?
この記事は、2025年3月に読売新聞オンラインに記事広告として掲載されたものです。
帝人フロンティアが、CCP※1である廣瀬俊朗さんと共に取り組む「未来をひらく、New Frontierプロジェクト※2」。
今回は、会社の成長に欠かせない「人財」について平田社長と廣瀬さんが語り合いました。多くの仕事が先進技術で代替できるようになる中、「人」にしかできないことで違いを出し、新たな価値を生み出そうという「人的資本経営」の考え方が注目を集めています。帝人フロンティアの「人財育成」に対する考え方とは。キーワードは「挑戦」と「リーダーシップ」です。
※1 Co-Creation Partner(コ・クリエーション・パートナー)。さまざまなプロジェクトを通して、新たな価値を共創する役割を持つ。廣瀬さんは2024年7月にCCPに就任。
※2 廣瀬さんとのコラボレーションを通じて、社員に「未来を切りひらく力」を育む機会を提供する活動。

帝人フロンティア株式会社
代表取締役社長執行役員
平田 恭成(ひらた・やすなり)

株式会社HiRAKU代表取締役
元ラグビー日本代表キャプテン
帝人フロンティア株式会社CCP
(Co-Creation Partner)
廣瀬 俊朗さん(ひろせ・としあき)
会社に新しい刺激を

廣瀬さんと最初にお会いしたのは、うちの広告撮影のために2023年の秋に対談をした時でしたよね。実は、その数年前にテレビドラマで廣瀬さんをお見かけして以来、ずっと興味を持っていました。調べてみると大阪のご出身で、北野高校から慶應義塾大学までずっと文武両道で、ラグビー日本代表のキャプテンにまでなられた、すごい人だなぁと。ですので、お会いできる日をとても楽しみにしていました。
声をかけていただいたときは、うれしかったですよ。母方が船場で問屋をやっていて繊維製品も扱っていたので、これもご縁かな、と。実際にお会いしてお話を聞いてみると、本当にいろいろなことをされていてびっくりしました。衣料品だけでなく、天井材やパラソル、避難用シェルターになる巨大なテントまで扱っておられて、面白い会社だなぁと思いました。
私も、廣瀬さんのことを知れば知るほど、元ラガーマンが新しいことにチャレンジされている姿に感銘を受けました。会社にも新しい刺激がほしいなぁと思っているタイミングでちょうど廣瀬さんに出会い、ぜひ当社の若い社員も廣瀬さんと交わってほしい、そう考えてCCPをお願いしました。
チームで挑戦するということ

少し前に、帝人フロンティアの社内研修で講師もしてくださったんですよね。どうでしたか。
2つの研修を担当しました。1つは新たに管理職になった社員向けの研修で、ラグビー日本代表キャプテンの経験から得た教訓をもとにチームマネジメントやリーダーシップの重要性を伝えたり、いま自分が色々とチャレンジしていることを話したりしました。もう1つは若手社員向けの体感ワークショップで、前半はラグビーボールを使ったミニゲームや、視覚や聴覚を遮った状態で行うコミュニケーション体験を行いました。正しく情報伝達、意思疎通することの難しさや重要性に気づいてもらえたのではないかと思います。後半では、各自の悩みや今後の夢について語り合いました。みなさん積極的で面白かったですね。
質問も活発に出てきましたか。
活発でしたよ。たとえば新任管理職の方からは、チャレンジするためにモチベーションをキープする方法や、チームで結果を出すための心がけなどについての質問が多かったです。チームを率いていれば、自分と価値観の異なる部下を持つこともあるし、厳しいことを言わなければならない場面もある。チームのことを最優先に考えれば、時には自分は嫌われる役割を担い、その分、他のメンバーにフォローしてもらうことも必要。また、チームで挑戦しても結果が出ないときは、「なぜ、このタイミングでこの方法でやるのか?」といった5W1Hを説明できないケースが多い。そこを明確にしておいて、さらにうまくいかなかったときのプランBまで考えておくことが重要。このようなことをお伝えしました。
組織のマネジメントは難しいですが、1人では成し得ないことでもチームで挑むからこそできるのですよね。帝人フロンティアは合併を繰り返してきた会社で、もともとは繊維の商社でした。そこに、繊維の製造工場や研究開発部門が加わり、半分は商社、半分はメーカーになりましたが、10年ほど前は、それぞれの考え方がバラバラで一体感がなかったんです。でも、お互いの強みを活かそうとすることで少しずつ連携ができてきて、新しい繊維を生み出す、その繊維で新しい製品をつくる、そんな積み重ねが数字に表れてきました。今では商と工のシナジーが業績を牽引していると言ってもいいでしょう。一人ひとりのスキルや考え方は違っても、チームになったときにいいパフォーマンスが出せる。それはラグビーでも企業でも同じですね。

リーダーシップの形はひとつじゃない

チームで挑戦するには、リーダーの存在が必要です。廣瀬さんは学生時代から社会人、そして日本代表でもずっとキャプテンだったんですよね。
そうなんです。日本代表のときはエディーさん(2011年から15年まで日本代表ヘッドコーチを務めたエディー・ジョーンズ氏。24年から再任)から、東京・府中のショッピングモールのカフェでいきなり言われましたよ。「お前がキャプテンだ!」って。
カフェで(笑)! やっぱり、廣瀬さんは生粋のリーダーなんでしょうね。
自分では向いていると思わないんですけどね。どちらかというと、後ろのほうで人の話をひっそり聞いているタイプです。前に出て「ついてこい! これが正しい!」っていうタイプではない。でも、だからこそ、一緒にやりたいってみんなが思ってくれたのかもしれないです。
私も学生時代は野球をやっていて、大学4年生のときには大学リーグで優勝したんですよ。自分たちの代のキャプテンは圧倒的なリーダータイプで、野球も誰より上手でした。当時はそれがキャプテンらしいキャプテンだと思っていましたが、よく考えると、人それぞれ、キャプテンシーは違うんじゃないかと。みんなをガンガン引っ張るのではなく、少し距離をとって俯瞰的にまとめるタイプの人もいる。それでチームが強くなるパターンもあるんじゃないかと考えるようになりました。

リーダーシップにも、その人らしさを生かせばいいと思いますね。「自分らしさって何なんだ」ってことを掘り下げないといけないので、先ほどお話ししたような研修を通して自分を見つめ直してもらえたらと思います。あと、ラグビー日本代表でもやっていましたが、数名でリーダーシップをシェアするという方法もあります。たとえば、フォワードとバックスは専門性が全然違うから、1人のリーダーで束ねようとするのは無理があるんですよ。だから、ポジション別にリーダー的な存在の人も必要だと思っています。
社会人の階層に近いイメージですね。部署ごとに部長や課長がいるような。
似てますね。ラグビーと企業の組織づくりは通じるところが多いので、研修での私の話から「自分たちの職場はどうだろう」と考えるきっかけにしてもらえればと思っています。
未来を開くために大切なこと
今後、帝人フロンティアでは、どのように社員の方々をサポートし、人を育てていこうとお考えですか。
様々な人財育成の制度が帝人フロンティアにもあります。まだ不十分なところもありますが、ひとつはジョブチャレンジ。たとえば衣料繊維の営業を何年かやった人が「次は産業資材をやりたい!」と手を挙げることができる制度です。新規事業の立ち上げを会社に提案できる制度もあります。半分が商社である帝人フロンティアは、「人」がどんどん仕事を生み出していく会社なので、人を大事にしたいという意識は常にありますね。
本人次第で、どんどん仕事のフィールドを開拓できる余地があるのですね。ぜひ、僕もそこにご一緒させていただければと思います。
もちろんです。みんなで一緒に未来をひらきましょう。ところで、歩みをともにする若い人たちに、未来をひらくための言葉を送るとしたら、廣瀬さんは何ですか。私は「歴史に学び、人を想う」です。先人の成功や失敗について、本を読んだり話を聞いたり。その人がどんな想いで、どんなことにチャレンジしたのか、成否の要因はどこにあったのかを学んで次に活かしてほしいですね。

私は「ワクワク」と「成長」です!「ワクワク」も「成長」も、困難を乗り越えるためのキーワードだと思っています。「これがやりたい!」という強い想いがあれば、大変なことも乗り越えられる。そして「うまくいかないけど、こんなところは良くなってるよ!」という成長の部分目を向けられると頑張り続けられる。それによって最終的に未来がひらかれると思うので、この2つの言葉にしました。

まさに百戦錬磨の廣瀬さんらしいキーワードですね。今後とも、帝人フロンティアのCCPとしてご活躍いただけることを社員一同楽しみにしています。
「未来をひらくために大切なこと」私はコレ!
廣瀬さんによる「若手社員向け体感ワークショップ」と「新任管理職研修」を受講した社員4人に、研修内容もふまえて考えた自分なりのキーワードを聞きました。(部署名等は取材時のもの)
若手社員向け体感ワークショップに参加

「失敗を恐れないこと」
未来をひらくには失敗がつきものです。「どうせ無理」という声も聞こえるかもしれませんが、失敗を恐れず、入社時からの「せんいで社会課題の解決に貢献する」という夢に挑戦していきたい。先輩の「周囲を巻き込む力」を見習って自分も成長せねばと感じています。
繊維資材部尾山 優成

「前進」
所属しているのは原糸を販売する部署で、お客様から「こんな糸つくれない?」というご相談を受けることも少なくありません。廣瀬さんのように相手から上手く話を引き出し、お客様の要望に応えることを繰り返して一歩ずつ前進すれば、確実に世界は変わると思います。
原料部岡本 大輝
新任管理職研修に参加

「輝き」
自動車用の内装材を扱う部署で15名近いメンバーと仕事をしています。廣瀬さんは自分と同い年なので興味深く受講し、キャプテンとしてプレーはもちろん態度や言葉も大切にされていたことを知って深く共感しました。「聴く力」を大切にしてみんなが輝けるチームをつくります。
車輌資材部 主事大貫 靖元

「挑戦」
欧米向けの高機能原料及び生地の輸出を担当しており、ビジネスカルチャーも異なるので学びの連続です。現在は、新規自社ブランドの立ち上げに向けても奮闘中。自分自身が成長するための挑戦を続けることはもちろんのこと、若手の挑戦を後押しできるような環境を整えることも、自身の役目と思って邁進しています。
機能資材部 主事北見 卓也
社員のみなさんにも聞きました!

分かりやすく紹介!動画をチェック
対談の様子は動画でも。ぜひご覧ください。