タイ国内のペットボトル粉砕原料を使用 タイでポリエステルリサイクルチップを生産開始

帝人フロンティア株式会社(本社:大阪市北区、社長:平田 恭成)は、タイでポリエステル繊維の製造・販売を展開するグループ会社、テイジン・ポリエステル(タイランド)(Teijin Polyester(Thailand)Limited、本社:タイ・バンコク、社長:堀井 哲也、以下「TPL」)において、タイ国産のリサイクル原料(ボトルフレークス)を使用し、高品質なポリエステル長繊維の生産に用いるマテリアルリサイクルチップの自社製造設備を新設します。この設備は、2022年1月より生産を開始します。

 帝人フロンティアは、グループ一丸となって環境価値向上を推進するため、環境戦略「THINK ECO」を掲げ、衣料から産業資材までの幅広い用途で、環境配慮型の素材や製品を展開しています。こうした中で当社は、このたびのリサイクルチップの生産開始を契機として、これまで50年以上にわたり事業展開してきたタイにおける使用済みペットボトルのリサイクル促進、および循環型社会の実現に貢献していきます。

1.背景・経緯
(1)近年、環境に対する世界的な意識の高まりにより、リサイクル素材を使用した製品へのニーズは飛躍的に増加しており、これに伴い、ポリエステル短繊維に加え、ポリエステル長繊維についてもリサイクル素材の需要が大きく伸びています。

(2)こうした中、当社では、拡大する需要に対応できるリサイクル原料の確保、および環境負荷の大きい長距離輸送を要さず、より適正な資源循環が可能な地域からの原料調達に向けて、新たなリサイクルポリエステル原料の調達先を探索していました。

(3)しかし、当社のポリエステル繊維の主力工場があるタイ近辺には、高品質のボトルフレークスを安定的に確保することが難しいという問題がありました。

(4)そこで当社は、ポリエステル繊維製造の中核拠点であるTPLに洗浄設備や最新型のリペレット機(*)を導入し、ボトルフレークスやリサイクルチップに関する独自の品質管理技術やリサイクル繊維の生産技術を駆使することにより、タイ国産のボトルフレークスから高品質な長繊維用マテリアルリサイクルチップの生産を可能にしました。 
(*)リペレット機:リサイクル原料から異物を取り除き、チップ状に成型生産する機械。

2.新設備について
所 在 地 テイジン・ポリエステル(タイランド)内
生産開始 2022年1月
主な設備 前工程設備:洗浄機
チップ製造設備:リペレット機
生 産 品 ポリエステル長繊維用のマテリアルリサイクルチップ
生 産 量 7千t/年(2025年度予定)

3.今後の展開
(1)新設備で生産したリサイクルチップは、帝人フロンティアグループ向けを含め、差別化ポリエステル長繊維に使用します。

(2)このリサイクルチップにより生産したポリエステル原糸は、帝人フロンティアグループを通じてリサイクル繊維「エコペット」ブランドとして展開していきます。 


      TPLの外観    


  生産するリサイクルチップ

【 当件に関するお問合せ先 】
帝人フロンティア株式会社 広報・IR部 TEL:(03)6402-7087