独自の高い質感と快適なストレッチ性を兼ね備えた新感覚のスパン調機能性素材を開発

帝人フロンティア株式会社(本社:大阪市北区、社長:平田 恭成)は、ポリトリメチレンテレフタレート(以下、PTT)を使用した原糸の熱収縮性をコントロールする新開発の原糸・糸加工技術を用いることで、PTT繊維の特長を最大限に活かし、高い発色性、光沢、ナチュラルなふくらみ感といった感性の領域を満たす独自のスパン調質感と快適なストレッチ性を兼ね備えた、新感覚のスパン調機能性素材「SOLOTEX LIBERTE(ソロテックス リベルテ)」を開発しました。
 帝人フロンティアは2024年度秋冬向けから「SOLOTEX LIBERTE」を、国内、海外のスポーツ・カジュアル向け衣料品用途の重点プロモート素材と位置付け、積極的に拡販を図っていきます。

1.開発の背景
(1)近年、スポーツウエアをはじめとする衣料品用途全般の素材に対して、快適性を有し、環境配慮型であることに加え、すぐれた質感や風合、外観などへのこだわりも求められています。
 (2)一方、帝人フロンティアは、原料の約40%が植物由来成分で構成するPTT繊維「SOLOTEX」を用い、サイド・バイ・サイド型複合繊維(*)によるストレッチ素材や、PTT単成分で構成するPTT繊維特有のソフトで滑らかな風合いや触感、高い発色性を有する素材など、それぞれのポリマーの特長を活かした「SOLOTEX」シリーズを幅広く市場に展開するとともに、その特長を最大限に活かした素材開発を継続的に進めてきました。しかしながら、PTTポリマーの熱収縮制御の困難さから、優れたストレッチ性と十分なふくらみ感の両立する「SOLOTEX」は実現できていませんでした。
(*)サイド・バイ・サイド型複合繊維: 熱収縮性の違う2種類のポリマーを貼り合わせて糸にし、コイル状のクリンプ構造を発現させることでストレッチ性を有する繊維。


 「SOLOTEX LIBERTE」   

(3)こうした中、このたび、新開発のPTT低収縮化技術と帝人フロンティアが長年培ってきた特殊糸加工技術を組み合わせることで独自のスパン調質感と快適なストレッチ性の両立を可能としました。具体的には、芯糸にPTTポリマーからなるサイド・バイ・サイド型複合繊維を、鞘糸に新開発の特殊低配向、低収縮PTT単成分の原糸を配し、新たな特殊異収縮混繊加工技術を用いてそれらをランダムに混繊した上で、高密度編成技術を用い編立てることです。これらの技術を用いることで、高い発色性、光沢、ナチュラル感といった独自のスパン調質感と快適なストレッチ性を兼ね備えた、新感覚のスパン調機能性素材「SOLOTEX LIBERTE」の開発に成功しました。原料の一部に植物由来成分を使用しているため環境にも配慮した素材となります。

2.技術の概要
工程  技術内容  構造イメージ
原糸 芯糸:PTTポリマーからなるサイド・バイ・サイド型複合繊維
鞘糸:低配向/低収縮PTT単成分原糸

糸加工  ランダム芯鞘型異収縮混繊技術
編立  適正編地構造体設計技術
 高密度編成技術
加工  低テンション染色加工技術
 高発色性、ソフト風合い付与加工技術

3.「SOLOTEX LIBERTE」の特長
項目 特長の内容
質感・品位  ・独特なスパン調新質感
  滑らかでナチュラルなふくらみ感、ソフト風合い
  鮮明、高発色性、高級感のあるマットな光沢外観
 ・適度なドレープ感による高シルエット性
快適な機能性  ・ソフトストレッチ性と軽量性による快適な着用感
 ・吸汗速乾性
環境対応  ・一部に植物由来原料を使用

4.今後の展開
2024年度秋冬向けから、スポーツ・カジュアル衣料向けに幅広く展開を開始し、2026年度には、約50万mの販売を目指します。

【当件に関するお問合せ先 】
帝人フロンティア株式会社
広報・IR部 T EL(03)6402 7087