接触冷感機能と汗のべたつき防止機能を両立する特殊構造体 次世代型快適素材「COOLSHELL CARAT」を開発
帝人フロンティア株式会社(本社:大阪市北区、社長:平田 恭成)は、四つ山扁平断面形状糸「ウェーブロン」において、新たに開発した撥水性を付与したタイプと、従来の吸水性を有するタイプとを最適に配置した肌側層と、吸収した汗を拡散する外側の拡散層からなる2層の特殊構造体とすることで、従来、困難であった接触冷感機能と汗のべたつき防止機能を両立する次世代型快適素材「COOLSHELL CARAT(クールシェル カラット)」を開発しました。
帝人フロンティアは「COOLSHELL CARAT」を 2026年春夏の国内、海外のスポーツ・アウトドア向けの重点プロモート素材と位置付けて拡販を図っていきます。
1.開発の背景
(1)近年のスポーツ・アウトドアウエア市場では、温暖化の影響から、運動時の接触冷感機能や汗処理機能などの複数の機能を有する、着用快適性に優れたウエアが求められています。しかし、接触冷感機能は、肌からの熱伝導性を高めて冷感を発現するために、肌との接触面積を大きくするなどの必要がある一方、汗のべたつき防止には、肌側を凹凸構造にして肌との接触面積を少なくする必要があるなど、これまで接触冷感機能と汗のべたつき防止機能の両立は困難でした。
(2)こうした中、帝人フロンティアは、幅広く展開している、肌側に撥水糸を配置した汗処理機能を有する特殊構造体「トリプルドライ カラット」と、FD(フルダル)(*1)非捲縮原糸で接触冷感機能も有する「ウェーブロン」に着目し、この2つの機能を融合することで、接触冷感機能と汗のべたつき防止機能の両立を目指してきました。
(*1)FD(フルダル):酸化チタンを多く含む繊維で、肌から熱が繊維に移動することで冷感を発現する。
(3)そして、このたび、撥水性を有する「ウェーブロン」を新たに開発し、肌側をこの撥水タイプと従来の吸水タイプを最適に配置した特殊構造体とすることで、肌への接触により発現する接触冷感機能と、汗を素早く吸い上げて拡散させるべたつき防止機能を両立する次世代型快適素材「COOLSHELL CARAT」の開発に成功しました。
2.「COOLSHELL CARAT」の特長
(1)クーリング機能
肌側層は肌からの熱の移動を促進する酸化チタンを多く含み、非捲縮の扁平断面原糸を用いて肌への接触面積を高めることで、Q-max(最大熱吸収速度)0.2W/㎠以上(⊿T=20℃)「JIS L 1927法」(*2)の接触冷感機能を有します。また、非捲縮原糸が繊維間の空隙を最大化し、高通気を実現して衣服内の蒸れ感を軽減します。
(*2)「JIS L 1927法」: 繊維製品の接触冷感性を評価する試験方法。熱源板を一定の温度に加熱して生地に接触させ、瞬間的な熱の移動量を測定し評価する。
(2)汗処理機能
肌側層に撥水と吸水タイプの「ウェーブロン」を最適に配置することで汗を素早く吸収するとともに肌をドライに保ちます。また、四つ山の異形断面形状であるため毛細管現象により素早く汗を外側層に拡散し、速乾性を発現します。
(3)環境対応
PFAS(有機フッ素化合物)フリーの撥水機能付与技術を用いるとともに、リサイクルポリエステルを100%使用しており、環境に配慮された素材です。
3.「COOLSHELL CARAT」の技術概要
「COOLSHELL CARAT」の構造体イメージ図 「ウェーブロン」の断面電顕写真
4.今後の展開
2026年春夏のアウトドア・スポーツ向けへ販売を開始し、その後、ファッション衣料などの機能性衣料向けへと幅広く展開し、2025年度に10万m、2028年度に100万mの販売を目指します。
【 当件に関するお問合せ先 】
帝人フロンティア株式会社 広報・IR部 TEL(03)6402-7087
帝人フロンティアは「COOLSHELL CARAT」を 2026年春夏の国内、海外のスポーツ・アウトドア向けの重点プロモート素材と位置付けて拡販を図っていきます。
1.開発の背景
(1)近年のスポーツ・アウトドアウエア市場では、温暖化の影響から、運動時の接触冷感機能や汗処理機能などの複数の機能を有する、着用快適性に優れたウエアが求められています。しかし、接触冷感機能は、肌からの熱伝導性を高めて冷感を発現するために、肌との接触面積を大きくするなどの必要がある一方、汗のべたつき防止には、肌側を凹凸構造にして肌との接触面積を少なくする必要があるなど、これまで接触冷感機能と汗のべたつき防止機能の両立は困難でした。
(2)こうした中、帝人フロンティアは、幅広く展開している、肌側に撥水糸を配置した汗処理機能を有する特殊構造体「トリプルドライ カラット」と、FD(フルダル)(*1)非捲縮原糸で接触冷感機能も有する「ウェーブロン」に着目し、この2つの機能を融合することで、接触冷感機能と汗のべたつき防止機能の両立を目指してきました。
(*1)FD(フルダル):酸化チタンを多く含む繊維で、肌から熱が繊維に移動することで冷感を発現する。
(3)そして、このたび、撥水性を有する「ウェーブロン」を新たに開発し、肌側をこの撥水タイプと従来の吸水タイプを最適に配置した特殊構造体とすることで、肌への接触により発現する接触冷感機能と、汗を素早く吸い上げて拡散させるべたつき防止機能を両立する次世代型快適素材「COOLSHELL CARAT」の開発に成功しました。
2.「COOLSHELL CARAT」の特長
(1)クーリング機能
肌側層は肌からの熱の移動を促進する酸化チタンを多く含み、非捲縮の扁平断面原糸を用いて肌への接触面積を高めることで、Q-max(最大熱吸収速度)0.2W/㎠以上(⊿T=20℃)「JIS L 1927法」(*2)の接触冷感機能を有します。また、非捲縮原糸が繊維間の空隙を最大化し、高通気を実現して衣服内の蒸れ感を軽減します。
(*2)「JIS L 1927法」: 繊維製品の接触冷感性を評価する試験方法。熱源板を一定の温度に加熱して生地に接触させ、瞬間的な熱の移動量を測定し評価する。
(2)汗処理機能
肌側層に撥水と吸水タイプの「ウェーブロン」を最適に配置することで汗を素早く吸収するとともに肌をドライに保ちます。また、四つ山の異形断面形状であるため毛細管現象により素早く汗を外側層に拡散し、速乾性を発現します。
(3)環境対応
PFAS(有機フッ素化合物)フリーの撥水機能付与技術を用いるとともに、リサイクルポリエステルを100%使用しており、環境に配慮された素材です。
3.「COOLSHELL CARAT」の技術概要
工程 | 項目 | 概要 |
原 糸 | FD四つ山扁平断面撥水糸 | ・リサイクルFD原料を用いた撥水非捲縮原糸製造技術 ・PFAS(有機フッ素化合物)フリーでの撥水耐久性付与技術 |
製 編 | 特殊ダブルニット構造体 | ・撥水糸と吸水糸を適正に配置し、発汗時のべたつき防止と接触冷感性能を高バランス化する肌面の編地構造設計技術 |
染 色 仕 上 |
優れた快適性を発現する染色加工 (接触冷感、汗のべたつき防止機能 ) |
・接触冷感機能を発現可能な肌面構造の最適化 ・肌面に適正配置された撥水糸と吸汗糸の各機能性発現技術 |
「COOLSHELL CARAT」の構造体イメージ図 「ウェーブロン」の断面電顕写真
4.今後の展開
2026年春夏のアウトドア・スポーツ向けへ販売を開始し、その後、ファッション衣料などの機能性衣料向けへと幅広く展開し、2025年度に10万m、2028年度に100万mの販売を目指します。
【 当件に関するお問合せ先 】
帝人フロンティア株式会社 広報・IR部 TEL(03)6402-7087