ゴム補強繊維に用いる環境に配慮した接着剤を開発

 帝人フロンティア株式会社(本社:大阪市北区、社長:日光 信二)は、レゾルシン・ホルムアルデヒド(RF)を含まない、環境に配慮したゴム補強繊維向けの接着剤を開発しました。

 帝人フロンティアは、環境活動指針として「THINK ECO」を掲げ、衣料から産業資材まで幅広い用途で地球環境に優しい活動を実践しています。このたびのゴム補強繊維に使用する接着剤は、この指針に沿って開発されたものであり、今後、これにより環境負荷低減に貢献するソリューションを提供していきます。

1. 背景

(1) タイヤをはじめとするゴム製品において、その強度や形態安定性などを保つために使用する補強繊維の生産工程では、長年にわたり、接着性に優れるレゾルシン・ホルムアルデヒド・ラテックス(RFL)接着剤が使用されています。
(2) しかし、近年の環境や安全に対する意識の高まりから、身体に有害とされるRFを含まない接着剤のニーズが急速に高まっていました。
(3) こうした中、帝人フロンティアは、RFを使用せずに同等の接着性能を有する、ゴム補強繊維向けの環境に配慮した接着剤を実現しました。
2. 今次開発の接着剤について

(1) このたび開発した接着剤は、RFの代替として高分子化合物を使用することにより、ゴム補強繊維の接着加工プロセスで環境負荷低減に貢献することができます。また、繊維およびゴムとの親和性が良好であることから、従来のRFL接着剤と同等の接着性能を実現しました。
(2) 一般に使用されているRFL接着剤は、化学反応によりRFが網目状となり、接着剤成分であるラテックスと複合することで良好な接着性能が発現しています。これに対し、このたび開発した接着剤は、RFの代わりに配合した高分子化合物の分子間の相互作用が網目を形成することで、RFL接着剤と同等の接着性能を実現します。


RFL接着剤の模式図


今次開発した接着剤の模式図

3. 今後の展開

(1) タイヤやベルト、ホースをはじめとする幅広い用途に向けて展開を図るとともに、多種多様なゴムに対応できるよう、さらに開発を進めていきます。
(2) 2020年よりこの接着剤を使用したゴム補強繊維の試験生産を開始し、2028年にはライセンス生産を含め、年産20万トンを目指します。
当件に関するお問合せ先

帝人株式会社 コーポレートコミュニケーション部
TEL:(03) 3506-4055