快適で安全な医療用ガウンの共同開発を開始

国立大学法人東京医科歯科大学(所在地:東京都文京区、学長:田中 雄二郎)と、帝人フロンティア株式会社(本社:大阪市北区、社長:日光 信二)は、現下の新型コロナウイルス禍において、医療に従事する方々の負担軽減に貢献するため、快適で安全な医療用ガウンを共同開発することとしました。
このたび共同開発する医療用ガウンは、東京医科歯科大学が設置する国立大学法人東京医科歯科大学医学部附属病院(所在地:東京都文京区、病院長:内田 信一)の医療従事者の声を反映して試作品を企画・製作し、着用試験の評価を踏まえてさらに改良することにより完成を目指すものです。
両者は、医療従事者をサポートするための医療用ガウンを共同開発することで、コロナ禍における医療現場の負荷軽減に貢献していきます。

1.背 景
(1)新型コロナウイルスの感染拡大により、東京医科歯科大学では2020年4月より感染者の受け入れを開始し、重症および中等症患者の受入体制を構築するなどの対応を行ってきました。

(2)こうした状況下、多くの医療機関において、医療従事者が治療や看護に際して医療用ガウンを着用する機会や時間が大幅に増加したことから、安定調達とともに、より快適で安全に着用可能な医療用ガウンへのニーズが高まっています。

(3)そこで、医療に関して総合的な知見を有し、医療現場で検証することができる東京医科歯科大学と、これまでの迅速、大量な供給による貢献を通じて、医療用ガウンの生産・供給のノウハウを有する帝人フロンティアが、両者の知見や対応力を融合し、医療現場の負荷軽減のために、快適で安全な医療用ガウンを共同開発することとしました。

2.共同開発の取り組み
(1)試作品の企画・製作

国立大学法人東京医科歯科大学医学部附属病院の医療従事者の声を反映し、同病院 材料部 久保田 英雄 特任講師が設計を監修して、帝人フロンティアがナイロン不織布素材(生地裏側をラミネート加工)を使用した医療用ガウンの試作品を企画・製作しました。その特長は次のとおりです。

■ バリア性能を有する、動きやすい素材
ラミネート加工の柔らかい素材を使用しているため着心地が良く、AAMIレベル(*)2以上のバリア性能を有します。
(*)AAMIレベル: 米国医療機器振興協会(Association for the Advancement of Medical Instrumentation)が定める、ガウンやドレープなどのバリア性能をレベル1~4までの4段階で示した世界的な基準。

■ 感染リスクを低減する製品仕様
袖がめくれ上がらないように、親指を袖に通すフック穴を追加し、肌露出による感染リスクを低減します。また、汚染部位に触れることなく、素早く脱衣できるよう、簡単に引きちぎりが可能な首紐を使用しています。

■ 動きやすい製品仕様
従来品より袖丈を長くすることで、動作時の腕の突張り感を低減します。

■ 安定供給可能な国内縫製
必要な時に充分な対応が取りやすいように、国内で縫製します。

(2)着用試験の実施
上記の医療用ガウンの試作品5,000着を使用し、東京医科歯科大学医学部附属病院の新型コロナウイルス感染症の診療に当たっている医師や看護師などの医療従事者を対象として、2月15日から3月12日までの間に着用試験を実施します。その評価は、着脱性や動きやすさ、蒸れ感など、安全性や着心地に関する項目についてアンケート形式にて行います。

3.今後の展開
着用試験終了後に医療機関への販売を開始します。また、今後も医療従事者の意見を取り入れ、安全性、快適性を追求した医療用ガウンの開発・生産を継続していきます。

    
 着用試験に使用する医療用ガウン       着用試験に使用する医療用ガウンの首紐部分

【 当件に関するお問合せ先 】

国立大学法人東京医科歯科大学 総務部 総務秘書課 広報係 TEL:(03)5803-5011
帝人フロンティア株式会社 広報・IR部 TEL:(03)6402-7087