STORY

チーム一丸となって磨き上げた
EC戦略で、未来に向けた価値創造へ。

2026-02-01

暮らしを快適にする機能商品を取り揃えたECサイト「テイジンモール」を運営する帝人アクシア。若手中心で結成された「ECビジネスユニット」が挑む、未来に向けた価値創造とは。

Project Member

中森一良

大島直弥

「全員がECのエキスパートになる」、
その意思表明としてのユニット発足。

寝具やインテリア製品、生活雑貨などを中心に、商品の企画開発から販売まで行う帝人アクシア(※2025年にテクセットから商号変更)に「ECビジネスユニット」が発足したのは2023年秋。EC強化による次世代型ビジネス創出が、その狙いでした。

中森

旧テクセットは、もともと帝人フロンティアの社内ベンチャー的マインドをもとに2013年に誕生した組織で、私も創業メンバーの一人です。創業当時から徹底的に一般消費者のニーズを拾い上げようと、ECを主軸に試行錯誤を重ねてきました。とにかく全員ECの素人からのスタートだったので、最初の何年かは本当に大変だったんですよ。振り返れば多種多様なECコンサルタント会社にご協力いただいてきましたが、いずれ外部の助けを借りずに自走できるよう、少しずつ社内にノウハウを貯めてきました。ターニングポイントだったのはやはりコロナ禍。売上が飛躍的に伸びて、自分たちのEC戦略がグループ全体の成長のドライバーになれる手応えが生まれたんです。

大島

私は2023年秋のEC事業再編に合わせて、帝人フロンティアから出向してきました。実は帝人フロンティア時代も、マイクロファイバーふきんやタオルなどの商材を、ECモールに出品する業務を担当してはいたんです。当時の私はEC業務をやっているつもりになっていましたが、本当のECとはそんなものではないと、こちらのユニットに加入してから思い知らされました。アクセス数やクリック率、コンバージョン率といったデータの読み方すら知らない状態から、ECの基礎を一個ずつ学ぶ日々で、まるで千本ノックを受けているようでした。

中森

ユニットが発足してからは人材採用にも力を入れ、ECにまつわるあらゆる業務を内製化できるよう努めてきました。おかげで今は日々のデータ分析や施策のチューニングはもちろん、写真撮影やページデザイン、コピーライティングといったクリエイティブ業務まで、ユニット内でできるようになっています。

大島

最近では帝人フロンティア本体からパンフレットに使う商品撮影を頼まれたりもしています。それから外部のアパレル企業からの依頼でLP(*1)のデザインや撮影を請け負ったケースもあり、事業の幅が広がっています。

(*1)LP(ランディングページ): 検索結果や広告をクリックしたユーザーが最初にアクセスするページのこと。

ものづくりはまず顧客を知り、
届けたい体験価値を考えることから。

ECという戦略を背景に、オリジナル商品の企画開発を行うのも、ユニットの重要なミッション。さまざまなユーザーレビューと真摯に向き合ってきた経験を活かし、「どんな体験価値を提供すればユーザーの心に響くのか」を考えることを大切にしています。

中森

現在、「テイジンモール」での取り扱い総数は1700点超あり、自社オリジナルが約85%を占めています。これまでいくつもの商品を企画開発してきましたが、とくに思い出深いのは、私がブランドディレクターを務めた「YUAMII®」の立ち上げ(2021年)です。これは生地そのものが温泉効果をもつ寝具シリーズですが、ペルソナを設定し、その方々の嗜好やニーズを掘り下げながら戦略を立て、情緒的価値を伝えるクリエイティブにもこだわる、というチャレンジングな事例となりました。自分たちで製造現場を取材して読みものコンテンツをつくり、商品の背景を丁寧に伝えたり……。それまでのプロダクトアウト的発想の逆を行く、社会人人生としてもターニングポイントとなった経験だと思っています。

大島

ターニングポイントといえば、私にとっては「スリープオプティマイザー®」での経験が、まさにそれに当たります。これはマットレス・枕・布団がセットになった次世代寝具で、どこででも最適な睡眠環境をつくれるのが特徴です。コンセプト設計に始まり、サプライヤーと協働しながらものづくりをしてブランド化するという一連の流れを、自分が中心になって動かした初めての経験でした。市場投入前にクラウドファンディングサイト「Makuake」に出品したところ、ありがたいことに1,323名の方から応援購入をいただき、達成金額は6,100万円を上回りました。「寝室を持たない暮らし」の提案に共感をいただけたわけですが、こんなところにも、ユニット発足以来、ユーザーの声に耳を傾けてきた経験が生きていると思います。

中森

現在、ユニットには7名のメンバーがいるのですが、平均年齢も30代前半と若く、バックボーンも多様です。前職がYouTuberのプロデューサーだったり、バッグのプロダクトデザイナーだったりと、それぞれに違う視点を持っているので面白いですよ。

大島

現在は週次レビューで、ユーザーの声や各種データをみんなで検討しながら次に打つべき施策を考え、スピーディに行動しています。その分析から実行に移るプロセスを、全員が共通言語で話せるようになったのは大きいですね。

モノ売りからコト売りへ。
可能性を広げて、地域創生にも貢献を。

商品を企画開発し、ECを通じて社会に届けること。それ以外にもECビジネスユニットの事業領域はユニークな広がりを見せています。

中森

これから力を入れていきたい役割としては、ECコンサルティング業務が挙げられます。今動いているものの一例が、帝人グループの特例子会社である帝人ソレイユのEC支援。障がいをお持ちの方が千葉県の農園で育てる胡蝶蘭を販売する事業ですが、我々のサポートで売上が増え、働く方々の給与水準を上げていきたいですね。ほかには、私たちがこれまで協働してきた布団メーカーさんのファクトリーブランドのご支援もあります。ゆくゆくは産地の活性化にもつながればと、これまでの恩返しのつもりで取り組んでいます。私たちがほかのコンサルタント会社と明らかに違うのは、クライアントワークではなく、自分たちもものづくりをして販売してきた事業会社であること。そして産地と共存共栄を目指す当事者であるということです。

大島

地域創生の文脈でいえば、2024年に誕生したタオルブランド「YАОКІ®」は、福島県双葉町に撚糸工場をもつ会社の特許技術を活かしています。洗濯を重ねてもパイルが起き上がり、やわらかな風合いが続くという特徴を、七転び八起きに重ねてネーミングしたのですが、このブランドが成長することで、現地の雇用促進や復興支援にもつながればと思っているんです。

中森

売上を上げることはもちろん重要ですが、数字を追うだけでは継続はむずかしいですよね。そこに社会的意義があってこそ、持続性のあるビジネスになると思っています。「テイジンモール」を運営していて実感するのは、帝人グループが培ってきた信頼があるからこそ、期待もしていただけるということです。ですから私たちは、その期待を超えていくような意義のあるモノ・コトづくりをしないといけない。そんないい意味でのプレッシャーが自分たちの力になっていますね。

大島

これまで徹底的にマーケットインの施策を実施してきましたが、最近「テイジンモール」のお客様を見ていて思うのは、プロダクトアウト型のモノづくりも実はけっこう期待されているということです。帝人グループだからできた、これまでにない新機能や新素材、そういったものの魅力を、私たちが鍛え上げてきたECのフィルターで言語化して社会に届けていくことも、これから重要な役割になりそうです。

生活者と直接対峙し、生の声を集められるECという舞台。そこに真摯に向き合い鍛えられたECビジネスユニットの力は、これからさまざまなプレイヤーを巻き込んで、大きな渦を生み出していきそうです。

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