サッシに組み込まれた窓が、室外方向に離れて2つ取り付けれている窓。既存の窓に後付けでの内窓をつけた場合にも2重窓になる。
日射遮蔽とは、窓から入る日射を遮ること。
日射は窓ガラスを透過して室内に入り、室内の壁や床の表面に吸収されて温度が上昇し、室内温度も上昇する。窓から侵入する日射をうまくコントロールするには、日照調整フィルムを施工するなどで効果があり、室内温度上昇を抑え快適性を確保し、室内の暖冷房エネルギーの低減にも役立つ。
日射取得とは、窓ガラスを透過して日射が室内に入り込むこと。
日射取得は、ガラス窓を直接透過して入る熱と、ガラスに吸収された熱が室内に入る熱の合計。ガラスに吸収された熱は室内外に分配されるが、通常は室内外の空気の流れ(風速)により分配程度が変わる。外気風速が大きいほど室内へ入る熱が減少する。
ガラスの室内側表面の放射率を低くすると、室内への流入を抑える事ができるので、Low-Eタイプの窓フィルムが有用であり(レフテルのZCタイプ)、通称で断熱窓フィルムと表わす。
室内に取り込む日射取得を、太陽エネルギーとの割合で表して「日射熱取得率」と呼び、「%」で表す。数値が大きいほど日射熱を多く取り入れ暖房負荷軽減に効果があり、数値が小さいほど日射熱の取り入れが少ないので、夏の暑さを軽減出来る。日射侵入率ともいう。
日射の波長別に透過率を測定し、地上表面に届く日射の放射エネルギー比率で加重平均したのを日射透過率といい、日射エネルギーが直接透過する割合を示す。反射率を同様に行うと日射反射率とし、100%から透過率と反射率を引いて日射吸収率を求める。窓フィルムではJIS A5759、ガラスではJIS R3106 に計算式がある。
窓ガラスに当たる太陽エネルギーを100%とし、室内に流入しない(室外に反射する)エネルギーの割合を「日射熱カット率」といい、日射除去率ともいい、(100%-日射取得率)となる。
熱貫流率は室内外の温度差によってガラス窓や壁を通過(貫流)する熱量の大きさを表し、温度差1℃、1㎡の面積で1時間あたりに通過する熱量を示す。単位は(W/㎡.K)で示し「U値」という。カロリー表示での単位は(kcal/㎡.℃.h)でK値と呼ぶが今はU値で示すのが一般的である。0.86(kcal/㎡.℃.h)=1.0(W/㎡.K)
熱貫流率は小さいほど(熱貫流抵抗が大きいほど)断熱性に優れている。
表面に金属酸化物加工してあり、日射光線を反射し透過を低減するガラス。可視光線の反射率が高い製品が多く、意匠性も高くビルなどに多用されている。内面側に加工されている場合には、表面にフィルムなどを貼り付けると、透過率が高くなるなど性能が悪くなる場合があり注意が必要。
ガラスに微量の鉄やコバルトなどを加え、近赤外線や可視光線の吸収率を高くして、日射透過を低減するガラス。吸率が高くガラス温度が上がる欠点がある。
住宅の断熱性能で熱の損失程度を示す。数値が小さいほど断熱性が高い。外壁、天井、床、窓など各部位から熱が逃げる量を合計し、延べ床面積で割った値で「Q値」ともいう。単位は(W/㎡.K)。
熱を伝える割合を示す。単位は(W/㎡.K)(カロリー表示での単位は(kcal/㎡.℃.h))で、1㎡の面積で1℃の温度差があるときの1時間あたりの熱を示す。
物体から熱エネルギーが放出されることで、温度のある物体は波長の異なる遠赤外線を放射している。(→赤外線)
夏に日射を吸収しガラス温度が上昇し、その温度でガラス表面から放射される遠赤外線により、窓際はホテリ感として感じる。 遮熱と断熱に優れたガラスを用いるか、窓ガラスの室内側に断熱タイプの窓フィルム(レフテルのZCタイプ)を施工して、表面からの放射を抑える事が効果がある。
窓ガラスに日射が当たると、その部分は温度が上がりガラスが膨張するが、周辺のサッシにのみ込まれた部分や、影がある部分は温度が上昇しにくいため、膨張がしにくい。この膨張の違いでガラスエッジ部分には引っ張り応力が発生し、これがガラスの許容強度をこえて割れる現象をいう。
網入りガラスは、金属線が入っている関係でガラスの許容応力が低く割れやすい。
ガラスの日射吸収率が高いと、ガラス温度が上昇しやすく割れやすい。
①熱割れは一般に冬期の晴れた日の朝や夏の東西窓などで発生しやすくなる。
冬はサッシ周辺が冷えているためで、夏は日射量が特に最大になるためである。
②通常、熱割れはサッシの取付・構造や影の状態、さらに使用状態などの影響で変化する。
③一般に、熱割れはガラスのエッジからエッジ辺に直角に入り、それからガラス面内を蛇行する。
④ガラス窓の近くに、日射熱を吸収する家具類を置くと割れやすくなる。
物体同士を接着する方法の一つである粘着に使用する材料。粘着力はお互いの表面に対する濡れ性により変わり、材料によってアクリル系、ウレタン系、シリコン系などがあり、粘着性を発現する分子鎖(官能基)の組込方で変わる。一般の日照調整フィルムはアクリル系が主流。シリコン系は耐熱性に優れている。
建具の溝にガラスを取り付けるときの、溝に入っている寸法で見えなくなる部分。「かかりしろ」ともいうが、ドアや枠が重なった寸法も「かかりしろ」という。